世界中のクリエイターに影響を与えた噂のラストシーンは必見!
『砂丘』
「ヒッピー・ムーブメントが吹き荒れ、学生運動が盛んなカリフォルニアで、警官を射殺した疑いをかけられセスナ機を盗んで逃亡する男と、砂漠を車で突き進む女。大量生産・大量消費社会の本格化と空しさを描いた、虚無映画の傑作だ。
本来は笑えるとかポジティブな作品ではまったくないのだが、ラストの爆発シーンのしつこいスロー&リピートにいつも笑ってしまう。この真剣な馬鹿馬鹿しさが本作の魅力だと思う。ピンク・フロイドをはじめ、劇中で聴かれる音楽も最高」(青野賢一さん)
「怒り」と「悲しみ」を映像化したラストや、ピンク・フロイドとのコラボは必見! イタリアの巨匠、ミケランジェロ・アントニオーニが、ピュリッツァー賞受賞作家のサム・シェパードと組み、不条理な世界に飲み込まれていく若者の姿を描いた、ニューシネマの代表的な一作。
●あらすじ●
舞台は1960年代後期のアメリカ。黒人差別撤廃が叫ばれ、公民権運動、ベトナム反戦運動が激化し、学園闘争の嵐が吹き荒れる南カリフォルニアのとある大学。一学生でしかなかった青年は、突入して目の前で銃弾に倒れた警官を殺したという罪で追われる身となる。あてのない逃亡を続ける中、砂漠地帯へ向けて小型飛行機を飛ばす……。
『砂丘』
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:マーク・フレチェット、ダリア・ハルプリン、ロッド・テイラー、ハリソン・フォードほか
1970年/アメリカ/約114分
© 1970 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
DVD 1,572円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
2021.11.07(日)
文=大嶋律子(Giraffe)