作家や俳優などの方々に、読むと感情が湧き上がってくる本をノンジャンルで教えてもらいました。生活に彩りを与えてくれる、ブックガイドです。
ページをめくるとぐっと感情が高ぶってしまう本。切なくやさしい涙を誘います。
絶望の中にも人間らしさが
『夜と霧 新版』
ヴィクトール・E・フランクル 著
池田香代子 訳
精神科医がナチスの強制収容所での体験を綴った名著。
「絶望の中でも囚人はユーモアを忘れず闘おうとしていたという記述を読むと、人間というものの気高さや胆力を信じられる気がします」(三浦天紗子さん)
気づけたらあとは変えていくだけ
『82年生まれ、キム・ジヨン』
チョ・ナムジュ 著
斎藤真理子 訳
韓国フェミニズム小説ブームに火をつけた傑作。
「笑っていたはずの過去の瞬間一つひとつが、本当の私は笑いたくなんてなかったんだと気づかされます。泣きながら這ってでも頑張ろうと思える本です」(長井さん)
2021.10.21(木)
Photographs=Kengo Shimizu