絶対好きになる予定がなかったタイプの俳優・速水もこみち

「絶対この人を応援する日は来ないだろう」——。突然ですが皆さん、そのくらい遠くに感じるアーティストさん、タレントさんはいらっしゃるでしょうか。

 私は自慢じゃないが、昔からストライクゾーンはかなり広いほうだ。そんなタイプはいない、観るもの拒まず! と言い切りたい。

 しかし残念ながら、存在を遥か遠くに感じる方もいる。心の距離はイスカンダル。もはや「違う星の人」扱いである。

 その最たるタイプが「金髪色黒渋谷ストリートモテきっとサーフィンもうまそう系俳優」。脳が「好きになってはならぬ」と自動的に蓋をする。ファンになったとて、こんなダサくてトロいオバハンの声援なんて逆に迷惑ですよねそうですよね……。と、私の妄想力が極端にネガティブに働くジャンルなのである。

 しかし最近、そのイメージで避け続けてきた某俳優さんが、年を取るごとにジワジワ推しゾーンに入ってきて戸惑っている。

 その人の名は速水もこみちさん。このマイハートどういうことですか神様ヘルプ!

ドラマ「緊急取調室」もつなべコンビにハマる

 速水もこみちの存在は2005年の「ごくせん第2シリーズ」で初認識したのだが、見てすぐ見なかったことにした。おおう苦手な金髪渋谷系。しかも顔、スタイル、そして声、トータルで整い過ぎている。怖いほどに。

 1ミリとて湧かない親近感。都会的過ぎる。進化形過ぎる。あまりにも綺麗過ぎる。人間ぽくなくて、芸能界が業界発展のために極秘で製作したアンドロイドかも、とまで思った。

 そして

「彼はこのルックスで逆に苦労するはず。出る作品に困りそう」

 勝手にそう予測してしまったのだ。

2021.10.15(金)
文=田中 稲