車の中でCDを聴く、かけがえのない時間

――コロナ禍を機に変わったこと、ほかに何かありますか?

 もともと、とてもインドアで、家にいるのが大好き&ゲームも大好きだったんですけど、最近、車を買ったのをきっかけに、アクティブになりました。人が少ないところとか、ちょっと遠いところに行くようになったんです。

 小旅行とまでは言わないですけど、気分転換にドライブをよくします。ひとりで行くこともありますし、知り合いと突然「ここに行こう!」と決めて出発することも多かったりして。

――カーシェアやレンタルに移行する人も多いですが、佐藤さんは購入されたんですね。車へのこだわりがあるとか?

 車に詳しいわけではないんですけど、車で音楽を聴くことが、とにかく好きなんです。車に乗って歌の練習をしたり、自分のデモを聴いたり、ドライブしながら歌詞を考えたりします。

 僕の車はBluetoothの設備はなく、CDプレイヤーでしか聴けないんです。だから新しいCDを買って、じっくり全曲聴いたりもしています。家で聴いていたら聴き流してしまうような曲でも、車だとちゃんと聴けるので、すごく好きなんですよね。

――それは贅沢な時間ですね。

 うちの母が、もともと車で自分のデモやライブの音源を聴いたりしているのを小さいときから一緒に聴いていたので、それもあって好きなのかなと思います。車で聴いていると、なんか安心するというか。ひとりでも、誰かと一緒の時でも、運転しながら聴くのが趣味です。

――とても素敵なお話ですね。どういうところを走るのが好きなんですか?

 自然が大好きです。ひとりで奥多摩や海沿いのほうまで行くことも。サーフィンをする友達と一緒に行って、僕はずっと海を見てる、なんてこともあります(笑)。レーベルを一緒に作った友達がいて、彼が今、地方やいろいろなところで働いたりしているんです。つられて地方に行ったりすると、「ああ、東京よりも全然いいかも!」と思っちゃいます。

――将来、東京以外の場所に住みたいとか、考えたりします?

 すごく考えます! 東京より家賃も安いし、広いし、最近は知り合いも増えたので、「ありだなあ」と思います。けど、そうなると柊みたいに自炊もしないといけないですね(笑)。

佐藤緋美(さとう・ひみ)/HIMI

1999年12月19日生まれ。東京都出身。2018年、寺山修司原作の舞台「書を捨てよ町へ出よう」で主演デビュー。その後は『WE ARE LITTLE ZOMBIES』や『TRANSPHERE』、『#ハンド全力』などの映画に出演。9月17日よりNHKにて『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(毎週金曜よる10時~10時45分)に出演中。アーティスト・HIMIとしては「Asilis」というレーベルを立ち上げ活動中。

映画『ムーンライト・シャドウ』
2021年9月10日(金)より全国公開中

鈴の音に導かれるように出会ったさつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)。等の弟・柊(佐藤緋美)と柊の恋人・ゆみこ(中原ナナ)も意気投合し、4人で穏やかで幸せな日々を過ごしていた。しかしある日、等とゆみこが突然亡くなってしまう。哀しみに打ちひしがれるさつきと柊は、ゆみこが話していた〈月影現象〉――満月の夜の終わりに死者ともう一度会える現象――に導かれていく。

原作 「ムーンライト・シャドウ」吉本ばなな(新潮社刊「キッチン」収録作品)
タイトル 映画『ムーンライト・シャドウ』
出演 小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美、中原ナナ、吉倉あおい、中野誠也、臼田あさ美
監督 エドモンド・ヨウ
脚本 高橋知由
宣伝 S・D・P
配給 エレファントハウス
http://moonlight-shadow-movie.com/
Twitter @moonlight_sdw 
Instagram @moonlight_sdw

2021.09.18(土)
文=赤山恭子
写真=山元茂樹
ヘアメイク=勇見勝彦(THYMON Inc.)