「特に話さなくても、一緒にいて心地よかった」
――なかでも悩んだシーンはありましたか?
1カ所、撮り直しをしたシーンはあるんですけれど、それ以外はとてもスムーズでした。
あっ、僕がひとりでダンスを踊るシーンがあるんです。そこは、「自由に踊ってみてよ」と監督からいきなり言われて、みんながいる前で踊りました。音楽をやっているのもあって踊り慣れてはいたんですけど、さすがにみんなの前では恥ずかしかったな~(笑)。けど、楽しかったですし、あのシーンはすごく印象に残っています。
基本的に、現場は監督の雰囲気のままというか、すごくやさしいムードが漂っていて、僕もみんなもそれに包まれていた感じでした。エドモンド監督のチームと、またいつかご一緒したいと思います。
――となると、共演の小松さんや宮沢氷魚さん、中原ナナさんとも、いいお時間を過ごせたということですよね。
本当にそうですね! 現場でもみんなと仲良く話せました。むしろ特に話さなくても、一緒にいて心地よかった。みんなで仲良くできて、本当にうれしかったです。苦しくならずにできたので。
――苦しくなるようなときも、あるのでしょうか?
え~と、あります(苦笑)。
人間なので、話が合う・合わない・話しても続かないとか、あるじゃないですか。でも今回、そういったことは全然なかったですし、現場もキャストだけでなく、スタッフさんともコミュニケーションを取ることができたんです。自分はそういう関わりが好きなので、打ち解けられる現場でよかったです。
――素敵な現場で撮り終えた完成作品を、どんな視点でご覧になったんでしょうか?
撮っているときは、自由にやらせてもらっていたので、僕自身も「完成は、どんな感じになるのかな?」と思っていました。いざ観たら、すごくキレイな映画に仕上がっていて、とてもうれしかった。『ムーンライト・シャドウ』は、考えて観るというよりも、雰囲気を感じてもらえたらと思うので、ぜひ楽しんでください。
人見知りだけど人が好き
――佐藤さんは、CREA WEBに初登場となります。ご自身について、「こんな人です」と自己紹介するとしたら、どうですか?
よく言われるのは“人見知り”です。事実、めっちゃ人見知りで、初対面の人とは「あっ……」という雰囲気になるんです。
でも実は人のことがすごく好きなので、人見知りしちゃうけど、撮影現場に行けば「ああ、監督好きだな。キャストのみんなもいいな」と思うんです。
――特に、どういう性格の方に惹かれるなどの傾向はあります?
好きだと思うのは、基本的に真面目な人。こうして話をしていて、真剣な人は嫌いにはなれません。あとは……普通の答えになりますけど、面白い人も好きです!
――普段、気の合う友人とは、コロナ禍でなければ飲みに行ったり?
僕はお酒が飲めないんですよ。だから、お茶したりごはんに行ったりしています。
――柊は、ごはんを作ってふるまうのが好きな人物でしたが、実際の佐藤さんはどうですか?
映画ではロールキャベツを作っていましたけど、僕自身は、もともと料理が全然できません(笑)。コロナ禍になり、興味が出て、ちょっとだけ料理を作るようになったくらいです。
2021.09.18(土)
文=赤山恭子
写真=山元茂樹
ヘアメイク=勇見勝彦(THYMON Inc.)