ドカンドカン爆発だ! 地球に飛来した宇宙戦艦と人類の爽快海上決戦!!

◆『バトルシップ』(2012年/Prime Video・Netflix)

 ジリジリ、ジメジメと暑い日本の夏。避暑地や海に行ってリフレッシュしようにも外出が制限されるこのご時世では簡単には実現できません。

 そうした閉塞感に思わず叫び出したくなってしまうほどウンザリした気分になることもありますよね。そんなあなた、今年の夏は『バトルシップ』を観ながらチキンブリトーにかじりつき、ビールでも飲みませんか?

 2012年の公開当時、本作は日本で14億円超のヒットを記録したハリウッドSFアクション大作です。監督は、『ローン・サバイバー』などの苛烈で実話ベースの作品を近年手がけているピーター・バーグ。彼がメイキング動画で「生産ラインなんて知るか!」、「ドカンドカン! 爆発だ!」と荒ぶったように、本作の出来はまさに痛快・爽快。

 そのストーリーは至極単純。人類が深宇宙に発したメッセージに呼応するかのように、突如ハワイ沖の太平洋上に飛来したエイリアンの戦艦たち。外からの干渉を防ぐビームドームで覆われてしまった海域に取り残されたのは、日米合同演習中の駆逐艦とその乗組員たちだった……というものです。

 冒頭からダメダメな主人公がコンビニにチキンブリトーを盗みに入って警察に捕まり、性根を正そうとした兄に海軍に放り込まれるぶっ飛び展開から幕をあける本作。日差しと水しぶき入り混じるハワイの海原をかける海軍兵たちのご機嫌ぶりは、見ているだけでテンションが上がります。

 そして、いざ宇宙人の襲来が始まってからは、まさにアクションシーンのつるべ打ち! 終盤の戦艦同士の大バトルには、心のボイラー室がロックンロールを歌い上げてしまうはずです。

 一見するとよくあるハリウッド超大作で、実際そういうテイストの映画なのですが、本作はきちんと観客が盛り上がれるように展開と演出を整理し、画面をゴチャつかせずに見せ場を見せきるコントロール力がすごいんです。

 そこに、エイリアンたちのほんのり漂うポンコツ臭や、主人公の相棒として大活躍する浅野忠信のインパクト大の日本語シーンなど、思わず突っ込んだり口走ったりしたくなる名&迷シーンが加わり、本作を一層チャーミングで中毒性の高いものにしています。

 ……とここまでさんざん推してきましたが、なんと本作アメリカでは大コケ。「最低映画」に送られるラジー賞に6部門もノミネートされてしまったんです。しかし監督が米メディア「Indie Wire」の2013年のインタビューで「俺は『バトルシップ』を誇りに思っている」と語った通り、本作の持つ無類の“アゲ力”は奇妙なことに日本のネット界隈で爆発。

 「バトルシッパー」と自称する熱狂的ファンを生み、地上波放送される度にツイッターのトレンドを席巻。浅野忠信本人もノリノリで映画実況コメントをするなどの“お祭り映画”に変貌を遂げたのです。今年の夏こそ、本作にストレスをぶっとばしてもらうのも一興ですよ!

◎あらすじ

『バトルシップ』(2012年/Prime Video・Netflix)
日米合同軍事演習“リムパック”の最中に突如として宇宙から飛来したエイリアンの戦艦群。外部からの干渉を封じられた海域に取り残されたのは日米の護衛艦たち。その艦の乗組員であった新人将校のアレックスは期せずして、人類存亡をかけた決死戦に身を投じてゆくことになる。DVD/Blu-ray 発売中。

2021.08.21(土)
文=TND幽介(A4studio)