この記事の連載
うちの子ベストショット①
「もう喋りださないのが不自然だよ」(川原さん)
――大久保くんはどんな性格ですか?
めちゃめちゃ甘えん坊です。家の中に広いスペースはいっぱいあるのに、僕の膝の上にずーーっと乗ってます。気持ちよさそうにイビキをかいて寝てるから、退けられなくて。ひどい時は、昼くらいから夜までずーーっと膝の上にいます。夕方になっても電気がつけられないから、僕は真っ暗な中、猫を膝に乗せてじっとしてて……1人で住んでるからいいんですけど、客観的に見たらめちゃくちゃシュールで怖いですよね?
――もし見かけてしまったら、びっくりすると思います(笑)。
抱っこも好きで、目の前でジャンプするんです。初めて跳んだ時、僕を目掛けて跳んできたことでびっくりしてしまって、掴めなかったんです。(爪が引っかかって)「痛っ!」って言うたら、その言葉がわかったのか、次からは垂直にジャンプするようになったんですよ。
――大久保くん的には、跳んだ瞬間にキャッチしてくれという意思表示なんですね。
相当、信頼してくれてるみたいでありがたいです。掴めないと、その場でずっとジャンプしています。あと、めちゃくちゃ親バカなんですけど、頭がよくて覚えも早い。刺身を食べてる時、欲しそうにしてたんですけど、1回注意したら、もう寄ってこなくなりました。ご飯とかおやつを入れてある棚の場所もすぐに覚えたみたいですけど、ニャーニャー言ってももらえないことはわかってるから、物欲しそうな顔で座って遠くからずーーっと僕を見てくる。結局、根負けしてあげてしまうこともありますね。
――春くんと夏ちゃんがいた頃、3匹の関係はどうだったんですか?
春くんはな~んにも考えずにずっと寝てる子で。夏ちゃんはザ・猫だから、ご飯の時に甘えてくるくらいで僕にまったく近づかないし、ほかの猫とも距離があって。何も考えてない春くんが空気読まんと近づいて、よく怒られてましたね。
春くんと夏ちゃんは食いしん坊。大久保くんが残したご飯を、夏ちゃんが恐る恐る食べてることもありました。大久保くんは、そんな2匹に対して怒りもせず……。2匹は大久保のことが好きでしたけど、大久保はあんまり意識してなかったですね。
猫がよくやる、すれ違いざまにそっと体を当てる挨拶あるじゃないですか。春くんと夏ちゃんはあれをやるんですけど、大久保は(おやつが欲しくて)棚の前で僕を凝視してるから、2匹が近づいて挨拶してもまったく動じてなかった。僕と遊んでいる時に、春くんと夏ちゃんが近づいてきたら自分は身を引く器のでかさもありました。
2021.08.20(金)
文=高本亜紀
撮影=深野未季
写真=川原克己