唯一内部をゆっくりと見ることのできる尾藤家
ちりめん街道の中でもゆっくりと見て回りたいのが、旧尾藤家住宅。
唯一家屋の内部を一般公開しています。かつて丹後ちりめんを生業にしていた大豪商の邸宅だったこの場所は、1階が和、2階は洋の和洋折衷の当時としてはモダンな設計。奥座敷や中庭などもあり、外観からは想像できないような空間が広がっています。
歴史を感じる和の調度品と、進歩的な洋のインテリア。旧尾藤家住宅を表現するとすれば、まさにハイカラ。明治・大正・昭和の素敵なものがギュッと詰まっている、そんな感じです。
当時の文化を実感できる企画展なども
旧尾藤家住宅では、季節によって企画展が実施されることも。歴史的に貴重な展示物や明治・大正・昭和を振り返ることのできるさまざまな展示が催されているので、歴史情緒にどっぷりと浸ることができます。
街道には丹後ちりめんの製造所も
当時の面影だけでなく、今まさに丹後ちりめんを製造しているその現場を見学することもできます。街道にある株式会社丸中では現在でも変わらぬ製法で生地を作っています。
ちりめんを織る機械の音は「ガッチャン、ガッチャン」となんだか心地よい響き。一定のリズムで刻まれるその音は母親の心音に似ていると言われ、与謝野町では「機織りの音が止むと、赤ちゃんが起きて泣き出してしまう」という逸話もあるそう。
ちりめんという生業とともに成長し、生活していた人々の姿が思い出されるようです。
現代の喧騒から少し離れて、ちりめん街道をゆっくり歩く。そんな歴史の情緒に触れる休日もおススメですよ。
ちりめん街道
所在地 京都府与謝郡与謝野町加悦
アクセス
鉄道:京都丹後鉄道宮豊線「与謝野駅」下車、タクシーにて約10分
車:山陰近畿自動車道 与謝天橋立ICから約15分
https://yosano-kankou.net/chirimenkaido/?page_id=54
まだ見ぬ世界へ
北京都の魅力再発見!
2021.06.11(金)
文=CREA編集部
写真=鈴木七絵
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