【トンガ TONGA】ダイアモンド・ビア

「希望の涙」

 私は今、トンガの首都のラジオ局でジャーナリストとして働いています。私はトンガ初のトランスジェンダーのジャーナリストではないかと思います。しかし、大切なのは、私が誰かと違うということではありません。私は他のジャーナリストと変わりません。誰を、どうサポートするのか。愛と真実と平和を通して、自分の声を使って人々に伝え、教え、楽しませるために私は立ち上がり続けるということです。

 小さい頃、自分自身に困惑していました。男の子のおもちゃに興味を持たなかったし、女の子役をしたいと思っていました。いいえ、困惑どころではなく、本当に苦しかったです。両親は教会の聖職者でした。私は聖職者の息子としての役目を果たそうと努めましたが、みんなが期待するような人になるのは大変なことでした。私たちの暮らしていた保守的な文化のなかでは特に。

 私に何の価値があるの? ありのままの人生を進んでいいの? それとも私ではない誰かになるべき? こうした疑問を何度も自分に問いかけました。でも、ついに小学校の先生たちが、トランスジェンダーとしての私を受け入れてくれました。私はブリトニー・スピアーズの大ファンでしたが、先生たちは私を立ち上がらせ、ブリトニーの歌を授業の間中、歌わせてくれました。最高の思い出の一つです。

 当初は幼すぎて自分を受け入れられなかったけれど、ついに自分を若きトランスジェンダーだと理解する段階までたどり着けました。正直に言うと、まだ内心「なぜ?」という疑問が抜けません。自殺を考えた日もあったけど、私を愛してくれる人たちの悲しみを想像したとき、踏み留まれました。

 そして、ありのままの自分でいるためにトランスジェンダー美人コンテストに出場し、ミス・ギャラクシークイーン2015 に輝きました。美を表現するためだけでなく、トランスジェンダーのコミュニティに恩返ししたいという強い想いの結果でした。でも、クイーンだった2 年間、SNS で嫌がらせを受けたり、面と向かって批判されたり、傷つくようなことをたくさん経験しました。けれど、ありのままの人生を歩いていくと決めたんです。強い気持ちで自分を支えられる限り、若い人々がより良い未来へ進めるよう手助けしたいです。

 私のことを心から愛してくれた両親、いつもそばにいてくれた友人たちにとても感謝しています。彼らがいたから、大変な人生でも歩き続けることができます。“Malo!”(ありがとう)。この世界が憎しみと悲しみではなく、愛と喜びと夢にあふれる場所になりますように。私は今ここで、希望の涙とともに、あなたを励ましています。

『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs』

これまでにない夢×SDGsの本。
これまで世界中の誰もが夢を抱いてきたように、これからの時代、みんなが夢と同じように共有していくものってなんだろう。
その一つは、SDGsではないでしょうか。私たちは、2015年に世界の国々が結んだ未来への約束に注目しました。
「SDGsネイティブ」と言われるZ世代を中心に、SDGsの達成に取り組む世界の若者たちはどんな課題を見出し、解決に向けて行動し、その先にどんな未来を夢見ているのか。
彼らの夢から明らかになったのは、SDGsとは「何をするか」ではなく、「どんな未来を夢見て、今を生きるか」。SDGsに取り組むためのマインドに焦点を当てた、これまでにない一冊になりました。

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