社会ではさまざまな「多様性」が受け入れられるようになって、議論も進んでいます。

 そんな中で注目されているのは「恋愛」や「家族」の新しいあり方ではないでしょうか。

 LGBT同士など、「結婚」のあり方も変わってきており「籍を入れるべきか」というのもよく日常的に会話に出てくるようになりました。


「籍を入れるのは当然」という考え方に変化が

 カップルが将来的に籍を入れるのは当然である、というのが従来までの「正解」だったかも知れません。しかし現代はその価値観が大きく変化する途上であり、さまざまな形が生まれています。

◆LGBT同士など、結婚のあり方が変わってきている

 結婚と言えば「異性同士」でしたが、オランダ、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマークでは同性婚がいち早く公的に認められました。世界的に見ても同性同士の結婚が法律的にも認められる社会に移行しつつあります。

 日本では同性結婚は法的に認められていないものの、渋谷区、世田谷区が2015年11月に同性カップルに対するパートナー証明書の発行を開始するなどの動きもあり、LGBTのカップルが結婚式を挙げる機会も増えてきました。

 結婚のあり方やカップルという存在が多彩に変化していく中で「結婚とは」「入籍とは」という価値観に変化が生まれているのは間違いないのでしょう。あえて籍を入れず事実婚を選ぶ人など、異性同士でもさまざまな価値観を元に、従来の結婚、入籍というスタイルが徐々に変化しているのです。

◆男女同権…民法改正で「婚姻適齢」も統一

現在の日本では民法上、

「結婚できる年齢は、男性は18歳以上、女性は16歳以上
参考:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00218

 となっています。未成年は結婚するにあたって、両親の同意を得る必要があります。この法律は1947年に、女性のほうが心身ともに早く成熟するという考えなど当時の社会情勢を踏まえた上で決められたものですが現在では男女同権という認識が一般的で、違和感のある法律となっているようです。

2022年4月から、男女ともに18歳で結婚が可能になるように法律が変更されます。
参考:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00218

 このように少しずつではありますが男女同権意識が広まり、法律も改正されていく予定です。

◆LGBTカップルがあえて籍を入れない理由とは

 先ほども触れたように、日本ではLGBTカップルに同性結婚を認めていません。そこで「同じ戸籍になる」ためには養子縁組などさまざなま裏ワザを駆使する事になりますが、これを良しとしない方も多くいるのです。

 法律的に国が同性婚を認めてはいませんが、現在は各自治体で「パートナーシップ制度」を発足させており、法的な拘束力はないものの「2人がパートナーである事を認める」という証明書を発行しています。こういった証明書などで世論が動き、いずれ正式に同性婚を認められるようになるのではないか、それまで待つという選択をする人もいます。

2020.11.14(土)
文=bridge