よく眠り、すっきり目覚めるには、40℃のお湯に15分の入浴が最適!
いくら入浴が効果的だといっても、ただ入ればいい、というわけでもありません。タイミングや入浴法によっては、眠れなくなってしまうこともあるからです。
寝つきをよくするためには、就寝のタイミングで眠気が高まっている必要があります。お風呂と睡眠は1セットで考え、冷えやすい人はなるべく就寝の直前に、ほてりやすい人は1時間前に入るようにしましょう。
効率よく眠りの質を上げる基本の入浴法は、就寝の30分〜1時間前に、40℃のお湯に15分ほど浸かる完全浴です。
<快眠につながる入浴法>
●最高の温度は40℃!
まず、お風呂の水温は40℃。40℃くらいではなく、40℃です! 給湯器の温度設定ではなく、必ず水温計でこまめに確認してください。たった1℃の差が眠りの質をガラッと変えてしまいます。
副交感神経を優位にするためのおすすめの温度は40℃以下のぬるめのお湯。体がリラックスモードになり、よりスムーズな入眠につながります。
また、深部体温を上げるには、40℃以上の高温浴が効率的です。39℃でもゆっくり入れば深部体温を上げることはできますが、お肌の乾燥をまねくことも。
また、1度上げるまでいかない40.8℃でも人によっては心拍数が上がり、交感神経が活発になって興奮状態になるので、就寝前の入浴には向きません。
お湯の温度は、副交感神経が優位になり、深部体温も上がる、いいとこ取りの40℃を目安にしましょう。
●時間は15分
40℃のお湯に10分浸かると、深部体温は0.3℃上がり、15分以上で0.5℃上がることがわかっています。
深部体温がより上昇したほうが、その反動で自律神経が働き、入浴後に深部体温が下がりやすくなります。そのため、0.5℃深部体温を上昇させる、40℃のお湯に15分浸かるのがベストなのです。
●首のつけ根まで浸かる完全浴
お風呂の入り方としては、半身浴でもなく全身浴でもなく、首のあたりまで温める「完全浴」がもっともおすすめ。
お湯に浸かっている部分が大きければ、大きいほど毛細血管が開き、血液が温まります。その温まった血液が全身を巡り、全身がポカポカに。
頭までお湯に浸からずとも、首のあたりまででOKです。前半だけ、後半だけでもいいので少しの間でも、首まで浸かるのが効果的です。
また、浮力によって筋肉もほぐれ、全身が温まることで脳の視索前野の温度が高くなり、深い眠りにつながるデルタ波という脳波も増えます。
これからの季節もぜひ入浴を!
5月に入ると夏日も増えてきます。エアコンをつけて体の内側の温度がこもったままの状態になると、眠りにくく、寝苦しくなります。
暑くなる時期だからこそ、シャワーではなく効果的な入浴法で、深部体温をしっかり上げ、副交感神経を優位にして心身をリラックスさせることが快眠のポイント。
よく眠れるようになると、健康や美容、脳などにも、よい影響を与え、心身ともに健やかに過ごすことができます。今日から入浴を見直して、眠りの質を高め、快適な毎日を過ごしましょう。
2021.05.05(水)
文=大嶋律子(Giraffe)
イラスト=押本達希