『東ラブ』と『あすなろ白書』がジャンルの下地を作った?
ドラマ界にいきなりド直球の“メガネイケメン”が現れたわけではなく、世間に慣らしていった期間があったのではないかと筆者は考察しています。
トレンディドラマ全盛期である1991年に放送された恋愛ドラマの金字塔『東京ラブストーリー』には、江口洋介さんが演じる三上健一というチャラいモテ男がいました。
普段の三上はノーメガネなのですが、医学部の学生である彼が大学にいるシーンなどでたまにメガネ三上が登場。デフォルトでメガネをかけているキャラではないものの、ナンパなモテ男がメガネをかけている姿は新鮮に映ったものです。
1993年に放送されて大ヒットしたドラマ『あすなろ白書』(フジテレビ系)では、稀代のモテ男・木村拓哉さんがメガネキャラである取手治を好演していました。
劇中ではヒロインにフラれてしまうあまりモテない役どころでしたが、演じたのが人気急上昇中だった木村さんだったこともあり、“メガネでもかっこいい”というイメージの刷り込みに一役買っていたように思います。
このように1990年代前半の大ヒット恋愛ドラマによって、“メガネイケメン”というジャンルの下地ができていったのではないでしょうか。
2021.05.05(水)
文=堺屋大地