マンガやアニメにも“メガネイケメン”という枠が誕生

 それと並行して、マンガやアニメの登場人物たちにも、“メガネイケメン”の潮流が生まれていきます。

 1992年にマンガ連載がスタートし、アニメ化や実写ドラマ化もされて人気を博した『金田一少年の事件簿』には、主人公のライバルであり仲間でもある明智健悟というキャラがいます。警視庁刑事部捜査一課の警視というエリートな彼は、容姿端麗な“メガネイケメン”でした。

 また、1999年からマンガ連載がスタートしてアニメ化や実写映画化もされた『テニスの王子様』は、イケメンキャラが大洪水していた作品として有名ですが、本作の中でも屈指の人気を誇る青春学園中等部テニス部部長・手塚国光はストレートな“メガネイケメン”。

 クールでインテリジェンスに富んでおり、しかも運動神経抜群という隙ナシの最強モテキャラだったのです。

 『テニスの王子様』にはほかにも忍足侑士という“メガネイケメン”や、続編『新テニスの王子様』でも入江奏多という“メガネイケメン”が登場していました。

 手塚国光や忍足侑士は、作中でかっこいいキャラとして扱われているだけでなく、読者の女性ファンたちからも高い人気を集めていたのです。メガネでもモテる時代が来たのか? と驚いたことを記憶しています。

――近年のドラマには、『ダメな私に恋してください』(2016年/TBS系)のディーン・フジオカさん、『ホリデイラブ』(2018年/テレビ朝日系)の中村倫也さん、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(2019年/日本テレビ系)の菅田将暉さんなど、“メガネイケメン”は当たり前のように登場します。

 “メガネイケメン”という概念がここまで世に定着したのは、『あすなろ白書』の木村拓哉さんや、『テニスの王子様』の手塚国光などの功績が大きかったのかもしれませんね。

堺屋大地(さかいや だいち)

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『文春オンライン』(弊社)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。
公式Twitter @SakaiyaDaichi

2021.05.05(水)
文=堺屋大地