“快眠”に必要なのは太陽の光を浴びること!

 さて、自分にとっての最適な睡眠時間を把握したら、より質の良い眠りを追求しましょう。

 「“快眠”に必要なのは、ズバリ太陽の光なのです。コロナ禍で睡眠の質が悪くなる原因は、ステイホームによる太陽の光不足にあることも。太陽の光の役割はいろいろありますが、大きくふたつ!

 体内時計をコントロールする仕組みは約37兆個ものほぼすべての細胞に存在しますが、なかでも脳の奥にある一番強力な親時計をキュっとリセットする役割がひとつ。朝起きたらカーテンを開け、脳の親時計に光を届けましょう。

 そしてもうひとつは、太陽の光を浴びることにより、体内にセロトニンという物質が増えること。この物質が夜になると、加齢とともに減少していってしまう睡眠ホルモンに変わるのです。太陽の光不足だとこの“快眠”を促すホルモンの分泌が減ってしまいます。

 日中に30分以上散歩をしてみる、または、朝食を食べたりスマホを見るなど、いつも部屋のなかでやっていることを、ベランダや外でやってみるのもおすすめです」(三橋さん)

 コロナ禍の運動不足で眠れない、ということもあるかもしれませんが、まずは“太陽の光”をお忘れなく!

●教えてくれたのは…
三橋美穂(みはし みほ)さん

快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決。その人の頭を触っただけで、どんな枕が合うのか分かるほど精通している。寝具メーカーなどのコンサルティングや快眠グッズのプロデュースの他、ホテルの客室コーディネートも手掛ける。主な著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版/三笠書房)、『眠トレ! ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)など。

2021.04.25(日)
文=古澤朋美
イラスト=naohiga