日本の原風景「美山かやぶきの里」を歩く
美山の里山にはかやぶき屋根の建物が点在し、こんもりと生い茂る山々とかわいらしく共存しています。秋になれば色づき、冬は厳しいながらも雪が降って凛と美しく、そんなふうに四季折々の景色となじむのが、かやぶき屋根の魅力ではないでしょうか。
「美山かやぶきの里」では、実際に人々が生活するかやぶき屋根の建物群を見学することができます。
散歩をするだけでも、ほっこり癒やされるされる小さな集落ですが、見どころはたくさんあります。
ここではススキの茎をかやとして使うのですが、三角錐のように立てかけて水分を抜いている様子や、屋根についている家紋や家の前にある屋号の風情など、「へえ」という珍しい景色があちこちに。
「美山民俗資料館」を見学したり、予約すれば「美山語り部ウォーク」で解説付きの案内をしてもらうこともできます。
集落には、カフェや宿泊施設もあり、じっくり、のんびりしてタイムトリップを楽しんでもいいですね。
美山かやぶきの里
所在地 京都府南丹市美山町北
電話番号 0771-77-0587(かやぶきの里保存会)
https://miyamanavi.com/sightseeing/kayabuki-no-sato
かやぶき屋根の宿泊施設「美山 FUTON ＆ Breakfast」で眠る
さて、美山でも注目を集めている古民家再生プロジェクトがあります。
「美山 FUTON & Breakfast」では、かやぶき屋根などの、地元に根付いた建築文化をリノベーションし、宿泊施設として活用。
かやぶき職人自らが代表を務めているので、文化を活かし、風土と調和した過ごし方を経験できます。
その名も「屋根晴」さんがプロジェクトをスタートさせ、2020年までに、5棟のかやぶき屋根の宿泊施設をプロデュース・運営しています。
こちらは2019年に建てられた「美山EISA」。由良川の清流に面し、せせらぎを臨むテラスやミニバーやワインセラーも完備されており、仲間や家族だけで過ごすのにぴったりです。
一棟貸しなので、基本は朝食食材付き(新鮮な食材を自分たちでクッキング)。それ以外にもオプションとして、囲炉裏料理など古民家ならではのものから、寿司職人出張サービスまでバラエティに富んでいます。
また、ハイキングやヨガ、竹細工体験などのアクティビティも充実。なかでもうれしいのは「かやぶき屋根」のふき替え体験。伝統的な技術を本物の職人さんから伝授してもらえるのは貴重です。
せっかく【森の京都】を訪れるなら、こんな場所で眠りたい。そんな風に思える宿泊施設です。
美山 FUTON ＆ Breakfast
所在地 京都府南丹市美山町島狐岩52(レセプション棟）
電話番号 0771-75-5125(予約、問い合わせ)
https://www.miyamafandb.com/
2021.03.14(日)
文＝CREA編集部
撮影＝佐藤 亘
