フレンチやイタリアンだけでなく、日本料理店や割烹でも食後のデザートを工夫するお店が増えました。

 今回ご紹介するのは、元公邸料理人が作る大人のためのデザート。

 テイクアウトもできて、近隣で話題になっています。

 そのお店は、高級住宅街として全国に知られる街・兵庫県芦屋市の「ワインとお酒と和心料理 Takasaki」。

 八重桜の並木が満開になる川西さくら通りに面したビルの2階にあって、知る人ぞ知る隠れ家的なお店です。

日本料理店らしい和素材の品の良いデザート

 デザートは、入口すぐのカウンターのケースに並んでいます。何があるかは、その時のお楽しみ。

 「米粉のロールケーキ」は、甘さ控え目でさっくりした軽い食感。

 「お店でお出しするご飯用の、完全無農薬栽培で天日干しされたお米と同じ、姫路の農家の米粉を使っており、グルテンフリーです」と高崎さん。

 生クリームに、鹿児島・本坊酒造の「越百(こすも)」というシェリー樽で寝かせたウイスキーを加えて、大人の香りがほんのり。紫花豆などの時々の蜜煮がフルーツと一緒に添えられているのが日本料理店らしい。

 「黒糖の蒸しケーキ」と「黒糖プリン」は、鹿児島県徳之島の純黒糖を使っています。

 蒸しケーキはオーブンではなく、和食用の蒸し器で蒸し上げます。「蒸し器の方が使い慣れているから」と高崎さんはにっこり。

 むっちりした食感とキメの粗さが特徴で、海外でも「おもしろい」と好評だった逸品。抹茶やチョコレート味も作るのだそう。

 プリンも茶碗蒸しのイメージで蒸し器を使い、プリンにすが入らないよう、ゆっくり蒸し上げます。黒糖の風味に苦味のあるカラメルがマッチした大人味。

 どちらもワインを合わせて楽しめます。

 マルサラ酒やポルト酒をきかせた「ティラミス」は、なめらかな口当たりで、芳醇なお酒の香りが広がります。

 ワインを加えることもあるそうで、まさに大人のためのデザート。意外にロゼのスパークリングワインも合い、やみつきになった客もいるとか。

 「酒粕のムース」「かぼちゃのパンナコッタ」「抹茶のムース」は、ごく小さなポーション。

 3つを1皿に盛り、つるん、ぷるんとなめらかな食感で、色々な味の違いが楽しめるから、食後のデザートにぴったり。

 ムースは、他にも、苺、レモン、チョコレートなど、色々な種類を作るのだそう。それぞれの味わいが際立つよう、甘さはうんと控え目。

2021.03.14(日)
文・撮影=そおだよおこ