「希少で高価な花」はどこで買える?

 では、そういった希少な品種や、季節先取りの花など、高価な花はどうやって手に入れるのでしょうか? 一番手軽な方法は、花屋に“注文”してみることです。花屋で、店頭に並んだ色とりどりの花から選んで買ったことがある方でも、注文して買ったことがある方は少ないのではないでしょうか?

 実は、たいていの花屋で自分の好みの花を注文して買うことができます。

 例えば、先にご紹介した日本生まれの珍しいバラの品種が欲しいと花屋に伝えれば、次の仕入れ日に市場で希望に合うバラを探してくれますし、あらかじめ仲卸業者に頼んで珍しいバラを確保して、手に入れてくれることが多いです。

 もちろん花屋によっては、先に注文代金が発生することもありますし、10本単位での注文など、少量で買えないこともありますが、注文によって確実に高価値な花を手に入れることができます。

 わざわざ花屋に注文するのはハードルが高いという方は、いつもと違う花屋を覗いてみるというのもいいかもしれません。

 例えば、一流ホテルに入っている花屋。ホテルでは、ウェディングや各種パーティー、お別れ会など様々なイベントで花の装飾がされており、それらのイベント用に仕入れた特殊な花が一般向けに店頭に並んでいる可能性があります。

 またネット上の花屋も見逃せません。市場で取引された新鮮な花をすぐに宅配で届けてくれるシステムを備えた花屋や花問屋がありますので、そこでお好みの品種や季節先取りの花を注文してみるのも面白いかもしれません。

 ネット上の花屋は少ない本数で買えることが多いので、好きな品種を探してみる場合などお試し的に利用するのもおすすめです。

 少し珍しい花を家に飾るなら、ホームセンターや園芸店などに出向き、土がついている鉢物の花を切って楽しむ方法もおすすめです。

 今の時期ですと、例えばシクラメン。シクラメンの花は繊細で茎も短いので、切り花として売っている花屋はおそらくないと思いますが、鉢花としては広く出回っています。

 鉢花のシクラメンを購入して、茎を切り、花束として飾れば、この時期しか楽しめず、誰も見たことのない切り花として楽しむことができます。同じように、ブーゲンビリアなども鉢花としては身近ですが、切り花ではほぼ出回りませんので、ブーゲンビリアを鉢で購入して茎を切り、ブーケにして飾ると、いつもと違う楽しみ方ができるかもしれません。

 はるか17世紀、世界最初のバブルといわれるオランダのチューリップ・バブル。最高ランクのチューリップは、家が買えるほどの値段で取引されていたといいます。

 その価値を担保したのは、ウイルスだということはあまり知られていないかもしれません。通常の赤や黄色のチューリップが、翌年にひとつとして同じ模様でない赤と白のマーブル模様になったり、炎状の模様になったりしたのはウイルスが原因だったと後の研究で明らかになりました。

 振り返ってみると、人類の歴史はウイルスとともにあった歴史だったのかもしれません。ウイルスが原因で生まれた美しい模様のチューリップは、皮肉にもウイルスで球根が弱っているため絶滅し、いまでは絵画の世界でしか見ることができなくなっています。

 2021年がはじまり、ウイルスとともにある時代が幕あけしました。人類だけでは生み出すことができなかった新たな色や模様や価値が生まれるのも2021年かもしれません。

 今まで、触れる機会が少なかった希少で高価な花をそばに置いて、新しい年のスタートダッシュをきってみてはいかがでしょうか?

佐藤俊輔(さとう しゅんすけ)

フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。'17年「女性自身」(光文社)、’19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。テレビ、ラジオ出演のほか伊勢丹メンズ館のディスプレイ装飾など幅広く活躍中。

Column

新しい私を、花と。
Playful Flower Life!

花を買って家に飾る、それだけでも十分に豊かな時間を過ごせるけど、花の楽しみ方はノールール。今まで知らなかった新しい花との付き合い方を、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんがお届け。もっと自由に花と触れ合って、プレイフルな日々を楽しもう。

 

2021.01.19(火)
文=佐藤俊輔
写真=佐川大輔(人物)