コロナ禍で気づいたのは、より心地よい空間に住みたいという欲求。

 整理され掃除がいきとどいた部屋、クリーンな空気、目に優しい照明……さらに花があれば、自然が息づく潤いある空間に。

 花とともに暮らすハウツーをフラワーデザイナーの佐藤俊輔さんに教えていただきました。5回にわたって特集します。

» 「センス良くて長持ちさせる花の飾り方」篇
» 「フレッシュな花の買い方」篇
» 「いい花屋さんの見分け方」篇


「花のある暮らし」って 難しくないんです!

 家で過ごす時間がいつもよりも長くなった今、SNSでは #おうち時間で、部屋での様々な過ごし方がシェアされ、いままで気がつかなかった新しい過ごし方を見つけた人も多いのではないでしょうか?

 さて、そんなおうち時間のベストパートナーといえば花。花があるだけで、ともすれば息が詰まりがちな部屋が、深呼吸したくなるような瑞々しい空間へとシフトします。

 部屋に花があることで、過敏になっていた心が柔らかくなり、いつもより優しい気持ちでパートナーに接することもできるかもしれません。

 素敵な想像が膨らむ花のある暮らしですが、実際のところ花屋さんで花を買って自宅に飾ることはハードルが高い、と感じている人は意外と多いよう。

 そのハードルを乗り越え、花と仲良く暮らすにはどうすればいいでしょうか?

 答えは簡単……花を迎える「準備」をすればいいのです。準備といっても何か特別な練習をしたり、新しく道具を買い揃えたりする必要はありません。

 家にあるもので、少し工夫するだけで、花を迎える準備はきちんと整います。準備が万端になったら、自然と花を飾ってみたくなるでしょう。試しに近所の花屋さんに出かけてみたくなるかもしれません。

 最初のハードルを越えれば花のある暮らしはもう成功したも同然。それでは一緒に必要な道具から見ていきましょう。

用意するのはカッターナイフだけ!

 用意するのは、カッターナイフだけです。花ハサミや剣山、花器などは必ずしも必要ではありません。あとは部屋を少し片づけて、気候がいい季節なら窓を開けてもいいでしょう。とにかくリラックスできる空間を作ります。

 花が心地いい空間と、人間が心地いい空間は似ているので、自分が心地よいと思えば、花も心地いいはずなんです。カッターナイフと程よく快適な空間が揃えば、準備は完璧です。

2020.07.07(火)
文=佐藤俊輔
撮影=平松市聖