花をできるだけ長く楽しむコツは?

 さて、せっかく買ったお気に入りの花は、できるだけ長く楽しみたいですよね?

 そもそも、なぜ花は枯れてしまうのでしょうか? 答えは茎から吸い上げた水が花先に届かなくなるからです。

 問題は茎の切り口にあります。切り花は茎の切り口の断面にある導管部分から水を吸い上げます。切り口の面積が広いほど効率よく水を吸い上げることができますので、切り口は斜めにカットしましょう。

 ハサミを使うと刃の圧力で、茎の断面をつぶしてしまうので、必ずカッターナイフを使って切りましょう。

 ビギナーはカッターナイフを動かさずに、花を動かすと安全です。カッターナイフを茎にあてた状態で手を固定し、茎を引き上げます。刃が切れなくなったり、汚れてしまったりした場合には新しい刃に取り換えられるのも、カッターナイフの利点です。

家のあらゆるものが花器に変身!

 次に、茎を切った花を飾りつけるために花器を用意します。

 花瓶がある場合は花瓶を、それ以外でもコップ、マグカップ、ワイングラス、茶碗、空き瓶、ペットボトル、蓋、タッパー、ランチボックスなど水が入るものだけでなく、水が入らない紙の箱や木の箱や器でも、中にセロファンを入れて防水すれば花器として使用できます。

 器選びのポイントですが、最初に用意するなら、口の狭い花器がおすすめです。

 花をまっすぐに生けたいのに倒れてしまったり、花器の上にふわりとバランスよく生けたいのに、重い方に片寄ってしまったり、といった経験がある人も多いのではないでしょうか。

 花器の口が狭いと、花器の中で茎が動く範囲が狭くなるので、花を意図したところにとどめることができ、花を綺麗に飾ることができます。

 口のサイズは思っているよりも小さくて大丈夫です。ワインボトルくらいの狭さでも3~4本の花を飾ることができます。

2020.07.07(火)
文=佐藤俊輔
撮影=平松市聖