この記事の連載
- 花で巡るバンコク 前篇
- 花で巡るバンコク 後篇
花を買って家に飾る、それだけでも十分に豊かな時間を過ごせるけど、花の楽しみ方はノールール。今まで知らなかった新しい花との付き合い方を、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんがお届け。
もっと自由に花と触れ合って、プレイフルな日々を楽しもう。
カラフル&パワフル! ウィークエンドマーケットで花巡り
常夏の楽園、タイ。首都バンコクには世界中からモノとヒトが集まります。雲を突き抜けるような高層ビル群から、摩天楼の隙間を縫うように軒を連ねる伝統的な屋台まで、あらゆるところに人々のパワフルな熱気が溢れるバンコクには唯一無二の魅力があります。
プール付きホテルやショッピング、マッサージ、タイ料理などメジャーなアクティビティにはことかかないタイですが、実は「花の国」でもあるということをご存じでしょうか?
世界に流通する洋ランの8割を生産するといわれるタイは、トロピカルな植物の世界的な輸出国です。花に注目してバンコクを巡ってみると、いつもの観光スポットが全く違って見えるかもしれません。
旅行客も増え以前の活気を取り戻したパワフルなバンコクを、フラワーデザイナーの佐藤俊輔が前編、後編の2回にわたってナビゲートします。
タイならではのデザインの造花や花器が手に入る
◆チャトゥチャックのウィークエンドマーケット
バンコクのショッピングの定番といえば、チャトゥチャック公園で週末に開かれるウィークエンドマーケット。約15,000もの露店が軒を連ねるバンコク最大の公設市場で、衣類、雑貨、インテリア、骨董品、ペットなどなど、揃わないものはないといわれるほどの品揃えを誇ります。日本人にも人気の観光スポットで、お土産を探す人や、買い付けに来るバイヤーなどでいつも賑わってます。
このウィークエンドマーケットでは切り花の取り扱いはあまりありませんが、ガーデニング用品やタイデザインの造花、東南アジア原産の植物を加工して作られるソラフラワーなどが手に入ります。日本では手に入らない花グッズもたくさんあるので掘り出し物を見つけに行きましょう。
中心部からタクシーで30分ほどでつきますが、渋滞に巻き込まれることがあるので、買い物の荷物のない行きは地下鉄やBTS(高架鉄道)で向かうのがおすすめ。駅を降りて5分ほど歩くと市場が見えてきます。
チャトゥチャック市場はとても広く、似たような景色が続いていて非常に迷いやすいので、入り口にあるエリアマップとスマホのGPSを照らし合わせて常に自分の位置を把握しながら巡りましょう。
市場の中心にはランドマークとなる時計塔がたっていて、待ち合わせなどにも便利。迷ってしまったら、とりあえず時計塔を目指して歩いてみてください。
山積みになっている古着や、ペットコーナーにいる極彩色の鳥などに目を奪われながら、花エリアに向かいましょう。造花の花屋が多く集まっているのは時計塔の西のエリア。マップの番号でいうと22、20、19、17、15、13、11のあたりです。中でも19と17には造花屋さんが密集しているので、僕は「フラワーロード」と呼んでいます。
2023.08.19(土)
文=佐藤俊輔