花を買って家に飾る、それだけでも十分に豊かな時間を過ごせるけど、花の楽しみ方はノールール。今まで知らなかった新しい花との付き合い方を、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんがお届け。もっと自由に花と触れ合って、プレイフルな日々を楽しもう。
花の市場で取引量・本数ともに1番多いのが3月
桜が咲き始め、いよいよ春本番といった3月。陽の光も温かみをおびて、花屋さんの店頭に並ぶ花々も心なしか華やかに見える気がしませんか?
これ、実は気のせいではないんです。東京都中央卸売市場の月報によると、花の市場で、1年間で取引量・本数ともに一番多いのが実は3月。一番少ない1月と比べるとその量・本数ともにおよそ1.8倍。つまり市場に花が一番出回る季節なので、皆さんのお近くの花屋さんにも花が一番出回るのが3月というわけです。
そんな1年で一番のラインナップを誇るこの時期の花屋さんで、ぜひ探してほしい1本が「つぼみの花」です。どの種類の花を買おうか考えることはあっても、どの状態の花を買おうかと考えたことがある人は少ないのではないでしょうか?
つぼみの花は、満開の花と違ってその時の華やかさはありませんが、つぼみの状態から、つぼみが開き、花が咲いて、時には背も伸びていく、そんな過程を楽しめるのが魅力です。
だんだんと暖かくなってくる3月はつぼみの花のラインナップも豊富で、この時期にしか楽しめない種類もたくさんあります。さあ春の花屋さんへ、自分だけのつぼみの1本を見つけに行きましょう。
2021.03.05(金)
文=佐藤俊輔