春の花屋さんに並ぶつぼみの花の種類&生け方
春に花屋さんに並ぶつぼみの花をご紹介していきます。
まずはサクラ。1月ごろから啓翁桜(けいおうざくら)という桜がお花屋さんに並びますが、3月頃は啓翁桜の終わりの季節。1月の出始めのものよりも大振りなものがあって見ごたえがあります。
また、彼岸桜(ひがんざくら)や八重桜(やえざくら)など様々な種類の桜がピークを迎えるので、花姿や色みで自分好みのサクラを見つけられるのもこの時期ならでは。
サクラのような枝物は、茎にハサミで縦に切り込みをいれて花瓶の5分の4くらいの深い水に生けましょう。サクラのつぼみは乾燥に弱く、咲く前にカラカラになってしまうことがあるので、まめに霧吹きでつぼみに水をかけてあげるとすべてのつぼみを綺麗に咲かせることができます。
春の花として、最近人気が急上昇しているのがラナンキュラス。色や形が豊富で、フリルのような花びらのものや、バラのような花びらのものなど、これ本当にラナンキュラス? と思うような品種があったりします。
そして一番の魅力は、「個体差」があること。カーネーションやバラなどは、同じ品種なら色や形がほぼ同じで見分けがつかないことがほとんどですが、ラナンキュラスは1本1本が全然違います。同じ品種でも花の大きさはもちろんですが、時には色が違うこともあります。まさに世界でひとつだけの花。
そんなラナンキュラスは、花瓶の4分の1くらいの浅い水に生けましょう。1~2日に一度くらいのタイミングで水替えをし、その都度茎を少し切ってあげると、ラナンキュラスのつぼみも咲いてくれることが多いです。ちなみにもともと咲いていた花の色とは違う色の花がつぼみから開くこともあるのでお楽しみに!
つぼみの時期が短く、すぐに咲いてくれるのが、チューリップ、アネモネ、ポピーです。
この3つの花は、あっという間に花が開くので、つぼみを楽しめる時期は一瞬です。花屋さんでつぼみの状態を見かけたら、迷わず手にとりましょう。次に見かけたときにはもう花が咲いている可能性が高いです。
チューリップはとてもたくましく、花を生けているあいだでもどんどん茎を伸ばしていきます。花瓶に生けて、次の日見てみたら茎が3~4センチ伸びていたということもありますので、成長度合いによって高さのある花瓶を使用するなど、飾り方を変えてみるのもおすすめです。
アネモネはギリシャ語で風を意味するanemos(アネモス)から名前がつけられた、エキゾチックな花。昼に花を開き、夜に閉じる性質があるので1日の中でも花姿が変わります。
ポピーは、つぼみの時はくっつき虫みたいな見た目ですが、つぼみが開くと紙細工のような繊細な花を咲かせ、そのギャップが魅力です。いずれの花も花瓶の4分の1くらいの浅い水に生けてあげましょう。
2021.03.05(金)
文=佐藤俊輔