相葉雅紀×動物という最強タッグが名作を生む
「ようこそ、我が家へ」(15年・フジテレビ系列)、「貴族探偵」(17年・フジテレビ系列)など、ドラマの花形ともいうべき月9での主演作品もある相葉雅紀(「貴族探偵」に至っては月9ドラマ30周記念作品)。
どの作品をとっても相葉ちゃんの魅力にあふれた素敵な役を演じてくれていますが、ドラマを俯瞰してみると、どうしても演技が浮いて見えてしまうことがありました(個人の見解です)。しかし、安心してください。相葉ちゃんだからこそ生まれた名作、紹介します。
その作品が「僕とシッポと神楽坂」(18年・テレビ朝日系列)。神楽坂を舞台に、若き獣医師と動物や飼い主たちとの心温まる交流を描いた物語です。動物たちのことを愛情を込めて「シッポ」と呼び、常に動物や人々の心に寄り添う高円寺達也こと“コオ先生”を好演していました。動物好きで優しい相葉ちゃんのキャラそのままというのもあり、まさにハマり役だったと言えます。むしろ相葉ちゃんにしかできなかった役と言っても過言ではありません!
ご存知の通り「天才!志村どうぶつ園」で動物たちの飼育係を10年以上務め、後継番組「I LOVE みんなの動物園」でもMCを務める相葉ちゃん。動物番組では動物のかわいらしさをただ見せるだけではなく、実際に多頭飼育崩壊の現場に出向いて悲惨さを伝えたりと、常に全力で動物に愛情を注ぐ姿を見せてくれていました。
本当に人や動物が好きで、慈悲深い人柄なのだと思います。そのことを知っているからこそ、ドラマの役に1ミリの嘘も感じさせません。これまでの自身の経験を活かし、相葉ちゃんならではの役の解釈も演技に反映されていたのでしょう。コオ先生という役の捉え方について「心の中にダムがあるような、すべてのことを受け止めて溜め込んで生きている人」と後に語っていました。これは本人自身、「優しさ」とは「強さ」であると理解しているからこそたどり着いた解釈なのだと思います。コミカルな芝居の中に見せる、切なさや悲しみまでが説得力を持ってリアルに伝わり、引き込まれる作品でした。特に最終回、感情を爆発させて涙するシーンにはかなり心打たれます。犬猫が好きな人、優しいコオ先生に癒されたい人は是非。優しく温かい気持ちに包まれる作品です。
嵐よ永遠に
この記事内で語られていない作品はまだまだたくさんあります。作品の多さは、それだけ嵐がテレビにとって欠かせない存在だったということを物語っているのです。そしてみなさんそれぞれに思い出深い嵐メンバードラマがあると思います。ひとりひとりの個性を活かし、それぞれに輝く場所をすみ分けている5人。2020年いっぱいで嵐としては一度幕を閉じることになりますが、これからもドラマ分野での活躍を楽しみにしたいと思います。
綿貫大介
フリー編集&ライター。TVウォッチャー。著書に『ボクたちのドラマシリーズ』がある。
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2021.01.02(土)
文=綿貫大介