櫻井 翔の優等生キャラ原点はキラキラ学園ドラマ

 櫻井 翔のドラマといえば「謎解きはディナーのあとで」(11年・フジテレビ系列)の執事役や「家族ゲーム」(13年・フジテレビ系列)の家庭教師役、「先に生まれただけの僕」(17年・日本テレビ系列)の校長役などが記憶に新しいところ。

 「櫻井・有吉THE夜会」で自身の大学生時代について語った際は、「寝る時間を削って勉強に当てていた」と振り返っていた櫻井くん。芸能活動を続けながら名門私立をストレートで卒業。24歳で「news zero」でキャスターを務めるほか、オリンピックキャスターや選挙特番でMCをこなすなど、知的なイメージがしっかりドラマの役にも反映されています。

 その優等生キャラが最初に光ったのが、「山田太郎ものがたり」(07年・TBS系列)。同グループ二宮とのW主演作です。名門高校に通う太郎(二宮和也)は、セレブとうわさされる人気者だが、実際はアルバイトで家計を支えるほどの貧乏人。同じく学園の人気を二分するのが、大金持ちのクラスメート・御村(櫻井 翔)。

 貧乏な大家族の長男と、華道家元の御曹司という対極な2人の友情をコミカルに描いた学園コメディになっています。90年代ではKinki Kidsの堂本剛が貧乏学生役、堂本光一がおぼっちゃま役で同級生を演じることが多かったですが、その系譜を嵐の2人が継ぎました。同グループのメンバー同士の共演ドラマなんてめったにないこと。普段から仲がいいことを知っているからこそ、観ているだけで笑みが溢れる作品です。

 お金持ちで頭良くてカッコよくて、学校では王子様とみんなに呼ばれている御村は、まさに櫻井くんそのもの。クールな役でありながら、その背後には少女漫画さながらにキラキラと輝く光が見えるようです。そんな櫻井くんとニノが学園のアイドル的存在のドラマというだけで完全勝利作ですよ(白ブレザー着用なのも最高)。さらにヒロインは多部未華子。櫻井くんと多部ちゃんの相性はバツグンですからね。

 そしてなんだかんだ言って「木更津キャッツアイ」(02年・TBS系列)のバンビ役も外せません。今は知的なイメージが強い櫻井くんですが、ジャニーズJr.時代にギャル男だったことは有名な話。そんなやんちゃだった青春時代を思い出すかのように、楽しく自然に演じている様が印象的でした。本当の素に近いのはこちらかもしれません。

2021.01.02(土)
文=綿貫大介