古くは薬代わりとしても重宝されたハーブとスパイスをお菓子にひとさじ。体を温めたり、免疫力や抗酸化力を上げたり、リラックスできたり――。

 食べる幸せに“効能”が上乗せされます。本格的な冬に備え、体と心を支える「5つ」の甘いものレシピを菓子研究家の長田佳子さんに教わりました。


#1 うるおいを育みエイジングケアも叶える「オートミールのビスケット」

 たんぱく質や鉄分、ミネラルが豊富なオートミールは実は肌の保湿にも使われる食材。

 香気の中に抗酸化力を秘めたケーパーが味を引き締めつつ美を後押し。

●材料(直径4.5センチ×10個分)

[A]
・オートミール:30g
・薄力粉:150g
・塩:ひとつまみ
・きび砂糖:25g
・ベーキングパウダー:小さじ1と1/2

・バター(室温に戻す):60g
・生クリーム:60g
・プレーンヨーグルト:150g

[ケーパー入りクロテッド風クリーム]
・サワークリーム:70g
・生クリーム:50g
・ケーパーの塩漬け:好みの量

●つくり方

(1) [A]のオートミールはフードプロセッサーなどで細かくする。[A]をすべてボウルに入れ、ざっと混ぜる。バター、生クリーム、ヨーグルトを加え、ゴムべらでさらに混ぜ、ひとまとまりにする。

(2) オーブンシートを広げ、折って(1)を挟み、シートの上から14センチ角にのばして冷蔵庫で30分ほど休ませる。冷蔵庫から出し、直径4.5センチの丸型で抜き、200度に予熱したオーブンで15分、190度に下げて5分ほど焼く。

(3) ケーパー入りクロテッド風クリームをつくる。サワークリームをゴムべらで練り、生クリームをなじませる。器に入れてケーパーをのせ、(2)につけながらいただく。

#2 Wの温め効果で冷え知らずのボディに「棗ジンジャーミルクティ」

 棗は冷え性や貧血の改善、老化防止などに効果があり、りんごのようなほのかな甘さでお砂糖代わりにも。

 しょうがとの組み合わせで、体がぽかぽかに。

●材料(1人分)

・紅茶の茶葉(アッサムやダージリン):5g
・しょうが:小さめ1片
・牛乳:250ml
・ドライ棗:15g

●つくり方

(1) 鍋に茶葉とスライスしたしょうが、牛乳を入れて弱火にかける。沸騰したら刻んだ棗を加え、やわらかくなるまで3分ほど煮る。

(2) 茶こしなどでこし、カップに注ぐ。

長田佳子(おさだ かこ)さん

菓子研究家。1977年生まれ。三重県出身。老舗フランス料理店、YAECAのフード部門「PLAIN BAKERY」などを経て、「人を癒すお菓子を」という思いから、2015年に自身のブランド「foodremedies」を立ち上げ、菓子研究家に。著書に『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)など。

寒い一日、体と心に効く
ハーブとスパイスのお菓子

2020.10.19(月)
Text=Asami Kumasaka
Photographs=Nao Shimizu
Styling=Makiko Iwasaki
Recipe=Kako Osada(foodremedies)
Cooperation=UTUWA

CREA 2020年11・12月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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様々な業界で活躍する人たちの人生を支えてきた習慣とは? 大切にしている美の価値観とは? 時に悩みながらも、美容を通して“自分らしさ”に真摯に向き合ってきた“あの人”に取材。そこから見えてきたのは、揺らがない自分でいるための美容でした。