古くは薬代わりとしても重宝されたハーブとスパイスをお菓子にひとさじ。体を温めたり、免疫力や抗酸化力を上げたり、リラックスできたり―。

 食べる幸せに“効能”が上乗せされます。本格的な冬に備え、体と心を支える「5つ」の甘いものレシピを菓子研究家の長田佳子さんに教わりました。


心と体がキリッとリフレッシュ「カカオのタルト」

 カカオポリフェノールの優れた抗酸化作用、頭をクリアにして気分を上げるローズマリーの力で錆びないメンタルに。

 午後の眠気覚ましにも最適。

●材料(直径18センチのタルト型1台分)

[タルト生地]
・バター(室温に戻す):30g
・きび砂糖:15g
・塩:ひとつまみ
・卵液:1/2個分
・薄力粉(あれば5gを全粒粉に置き換える):60g

[ガナッシュ]
・生クリーム:125g
・はちみつ:10g
・ドライローズマリー:ひとつまみ
・チョコレート(カカオ率70%以上のもの):180g
・ブランデー:小さじ1
・バター:15g

[上がけ]
・生クリーム:小さじ4
・ココアパウダー:15g
・きび砂糖:20g
・板ゼラチン(氷水でふやかす):2g

●つくり方

(1) タルト生地をつくる。ボウルにバター、きび砂糖、塩を入れてゴムべらで混ぜる。卵液を加えてなじませ、薄力粉を加えて混ぜる。ひとまとまりにしてラップで包み、冷蔵庫で10分ほど休ませる。

(2) 作業台に打ち粉(薄力粉、分量外)をし、(1)を丸くのばしてタルト型に敷き込む。フォークでところどころ穴をあけ、はみ出した部分を切り落とす。170度に予熱したオーブンで25分ほど、カリッとするまで焼く。

(3) ガナッシュをつくる。鍋に生クリーム、はちみつ、刻んだローズマリーを入れて中火にかけ、沸騰したら刻んだチョコレートを加え、泡立て器で優しく混ぜる。ブランデーとバターを加えて混ぜ(分離しそうなら冷蔵庫に入れる)、(2)に流し入れる。

(4) 上がけをつくる。生クリームを小鍋で温め、ココアパウダーときび砂糖を加え、泡立て器で混ぜながら溶かす。

(5) 水をきったゼラチンを加えてよく混ぜ、ざるでこす。人肌より冷めたら(3)に重ね入れ、かたまるまでおく(冷やしてもよい)。

長田佳子(おさだ かこ)さん

菓子研究家。1977年生まれ。三重県出身。老舗フランス料理店、YAECAのフード部門「PLAIN BAKERY」などを経て、「人を癒すお菓子を」という思いから、2015年に自身のブランド「foodremedies」を立ち上げ、菓子研究家に。著書に『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)など。

寒い一日、体と心に効く
ハーブとスパイスのお菓子

2020.10.25(日)
Text=Asami Kumasaka
Photographs=Nao Shimizu
Styling=Makiko Iwasaki
Recipe=Kako Osada(foodremedies)
Cooperation=UTUWA

CREA 2020年11・12月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

きれいな人がしてること。

CREA 2020年11・12月合併号

揺らがない自分でいるための習慣&コスメ
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定価820円

様々な業界で活躍する人たちの人生を支えてきた習慣とは? 大切にしている美の価値観とは? 時に悩みながらも、美容を通して“自分らしさ”に真摯に向き合ってきた“あの人”に取材。そこから見えてきたのは、揺らがない自分でいるための美容でした。