住宅購入はあせらず、しっかり貯金をしてから
必要な頭金を貯めて借入額を少なくすると、利息の支払いを大幅に減らすことができます。場合によっては、消費増税前に購入する効果や住宅ローン減税で受けることができる恩恵以上に大きな効果を出すこともあります。
具体的なケースで見てみましょう。たとえば、3500万円のマンションの購入を検討しているとします。どちらも住宅ローンの金利は2%、35年後に完済を目指すとします。
【ケース1】
購入時期:今年購入(頭金なし、消費税5%、住宅ローン減税適用あり)
総コスト:約4670万円(うち利息分約1370万円)
(住宅ローンの総返済額約4870万円-住宅ローン減税200万円)
頭金ゼロで購入をすると住宅ローンの借入額がふくらみ、必然的に利息の支払いが増えてしまいます。住宅ローン減税として最大200万円の控除を受けられるとしても、総コストは約4670万円になります。
【ケース2】
購入時期:5年後に購入(頭金600万円、消費税10%、住宅ローン減税適用なし)
総コスト:約4547万円(うち利息分約959万円)
(住宅ローンの総返済額約3859万円+頭金600万円+消費税アップ分約88万円)
5年間貯金をして頭金600万円を貯め、ローンを組むのは2900万円とします。返済期間30年での総返済額は約3859万円になります。消費税の負担が大きいのではと思う人も多いですが、実は消費税は土地部分にはかかりません。たとえば、3500万円のうち、土地部分が1750万円、建物部分が1750万円なら、5%アップによって増える税金は約88万円(建物部分1750万円の増税分)になります。
ただし、頭金を貯める5年間の住居費は含まれていないため、単純に住居を取得する費用の比較です。
住宅ローン控除は大幅拡充が検討されています。そうなれば頭金を貯めてから増税後に購入するケース2のほうがよりおトクになります。
賃貸住宅に住みながら頭金を貯めるのは大変という方も多いと思います。頭金を貯める間は親と同居したり、社宅がある場合は社宅に入ったりというのも賢いやり方です。住宅の購入を考えている方は、税金の制度の変更などに翻弄されることなく、しっかり貯金をして準備を整えることが大切なのです。
Column
花輪陽子の「大人のマネー塾」
大人の女性なら知っておきたいマネーの知識を、普通のOLからファイナンシャル・プランナー(FP)になった、花輪さんが教えます!
2013.02.24(日)