対岸には米軍基地や横浜の街並みが

 さらに坂道を進み、標高40メートルの展望台へ。

 「あそこに見える白いビル群はアメリカのカリフォルニアです」と竹崎さん。

 指をさすのは、対岸の横須賀にある米軍基地。日本の米軍基地はすべてカリフォルニア州に属するそうです。

 さらに、右へ視線をずらすと、八景島、横浜みなとみらい21、横浜ベイブリッジ、そして東京スカイツリーなどを望みます。

 猿島には8糎高角砲の4門砲台跡が残されていますが、これらの砲台は射程範囲が7,000メートル。米軍の飛行機が飛ぶのは上空1万メートル。砲弾が届かない……。

 そして今、猿島は手ぶらで体験できるバーベキューや釣りが楽しめる、東京湾で唯一の無人島として人気のスポット。昨年のゴールデンウィークには1日5,000人もの来島者を数えたそうです。

 一方で、内陸にひっそりと守られた戦争の痕跡。その対比の落差、東京からこんな近くに戦争の歴史が深く刻まれた場所があること、どちらも驚きです。

猿島

●アクセス 横須賀中央駅から徒歩15分で三笠ターミナル/猿島ビジターセンターへ。シャトルボートで約10分
●料金 往復乗船料大人1,400円、子供700円。「猿島公園入園料」15歳以上(中学生除く)200円、小・中学生100円

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2020.09.12(土)
文・撮影=古関千恵子