●スピルバーグ監督作の 主要キャラに抜擢

――さらに、14年公開の尾崎豊さん追悼映画『シェリー』では主演を務められます。

 身をもって、主演としての大変さを知り、何度も心が折れました(笑)。予算もあまりない作品だったので、スケジュールもタイトで、いろいろな問題も起こりましたが、それを乗り切るスタッフさんのスゴさを学ばせてもらいました。

 作品ごとに、僕の中ではいろんな変化が起きますし、引き出しも増えていっています。

 ただ、世に出たもので、僕の存在を知ってもらえるきっかけになった転機は、やはり18年に公開された『レディ・プレイヤー1』といえるかもしれません。

――そんな主要キャストであるダイトウ役に抜擢され、ハリウッドデビューとなったスティーヴン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』についてもお願いします。

 今、思うと、あんな大きな役で出演できたことに、「自分はどれだけ強運の持ち主なんだ」と思います。オーディションは15年に受けたのですが、翌年に合格の連絡が来て、翌週にはイギリスに飛んでいたぐらい怒涛の展開でした。

 ただ、ハリウッド大作はLAで撮影するイメージが強かったので、イギリスのスタジオにずっと籠りっきりの撮影には驚きました。

 ハリウッドといえば、毎晩パーティーで「イェーイ!」といった華やかなイメージがあると思うんですが、作品を作っているあいだは泥水を飲んでいるかのように大変であることは、日本と変わらないんです。

2020.09.11(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖
ヘアメイク=KEIKO(Sublimation)
スタイリスト=森田晃嘉