●『天気の子』の評価から見えてきたもの

――そのフレッシュな演技が評価され、「第14回声優アワード」では、新人男優賞を受賞しました。

 このようなカタチで評価を得られたことは、とても嬉しいですし、光栄なことです。

 自分の力だけで獲れたものではないと思っていますが、着実にステップアップしていけることで、もっともっと挑戦したいという意欲もわきました。

――また、この年には北村一輝さん、池内博之さんらとともに海外の映画に出演もされます。

 4カ月間、日本と海外を行き来しながら、言語や考え方が違う人たちと一緒に仕事をすることで、これまでまったく知らなかった世界の広さを体感させてもらいましたし、世界に対して興味を持つようになりました。

 現場でいちばん驚いたことは、どんなに撮影が押していても、何より食事の時間を優先することでした。

――さて、最新出演作となる『#ハンド全力』では、加藤清史郎さん演じる主人公らとともに、廃部寸前の男子ハンドボール部に入部する岡本役を演じています。

 学校の休み時間のように、ずっとわちゃわちゃした雰囲気の現場でした。みんな年齢が近いこともあって、とにかく下ネタで盛り上がるんです(笑)。

 銭湯のシーンでは、最初はみんなが前貼りを付けていたんですが、いたずらでひとりが剥がし始めて、最終的には全員が剥がしちゃうようなノリでした。

 モノマネが流行っていて、清史郎がずっとサンシャイン池崎さんの「ジャスティス!」をやっていましたし、みんなよくギターを弾いていました。僕だけ弾けなかったので、めっちゃ悔しかったです(笑)。

2020.04.24(金)
文=くれい響
撮影=末永裕樹