●初演技で、いきなり座長のプレッシャー
――その後、17年の舞台『弱虫ペダル』のオーディションに合格。それまで村井良大さん、小越勇輝さんが演じてきた主人公・小野田坂道役を射止めます。
初めての台本、初めての演技、初めての舞台と、何もかもが初めて尽くしだったので、当時のプレッシャーは、かなりのものでした。
座長どうこうなんて、考える余裕もなく、「キャリアのないのは当然なこと」「自分は自分なんだから!」と言い聞かせて、精一杯、必死に走り続けていたことを覚えています。とてもいい経験になりました。
――19年以降、「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』」でも主演・日向翔陽を演じられていますが、マンガやアニメの人気キャラを演じるにあたり、注意されている点は?
僕にとって、原作のキャラに近づけることは、どこか近道に感じるんです。
だから、あまり原作を意識しすぎずに、あえて3次元でやる「舞台版」ならではのオリジナリティや特徴を出したいと常に思っています。
――また、19年には新海 誠監督のアニメ映画『天気の子』のオーディションで、2,000人以上の中から主人公・森嶋帆高役に選ばれます。やはり、本作が転機となった作品といえますか?
はい。自分にとって、名刺代わりといえる作品ですから。
あれだけ大きな作品に参加させていただくのは初めてで、見える景色も違いましたし、濃い時間を過ごさせてもらいました。
アニメの仕事は初めてだったので、アフレコ収録中も新海監督の下で勉強させてもらいました。
ただ、相手役の森七菜さんは、その前に撮っていたドラマ「先に生まれただけの僕」のクラスメイト役で一緒だったので、とても心強かったです。
2020.04.24(金)
文=くれい響
撮影=末永裕樹