競争意識はまったくありません

 その後のドラマ、映画での活躍ぶりは記憶に新しいところだ。焦ることなく自分なりのペースで人生を切り拓いていけるのは、篠原さんがふだんから自分を人と比べることをしないからなのかも。

「確かに、昔から“私が、私が”みたいな競争意識はまったくないんですよね。もちろん、おしゃれな人やきれいな人を見ると、“どうしたら、こうなれるんだろう”っていうのはありますけど」

 そんな篠原さんが憧れの先輩としてあげたのは、吉永小百合さんと大地真央さん。

「自分が今、肌のメンテナンスに気をつけたいと思っているから、シミもシワもタルミもなく若々しい方に惹かれるのかもしれない。お二人とも、すごく努力されていると思うので、その秘訣をぜひ教えていただきたいですね。

 私がやっているのは、化粧水をたっぷり使うこと。ときどきエステ。そして、溶岩ヨガ。ヨガは、本当に人間を変えますね。始めて8年になるんですけど、多い時には週に5日。41~42℃の溶岩の上にタオルを敷いて、1時間。

 大量の汗が出るので、1回のレッスンで1.5リットルはお水を飲みます。それを2レッスン受けることもあるので、多い時は3リットル分、水分の入れ替えができる。結果、デトックスになって体質も改善されます。

 1回だけでも十分むくみがとれるし、シュッとやせた感じにもなるんですよ」

 携わっている作品の役柄によっては食事制限をすることもある。

「ヨガの前に、朝食と昼食兼用として酵素ドリンクを飲んで、夜はサラダだけ。フルーツをとるとしてもキウイくらい。それも朝だけにしておくんです。

 お酒も、10日に1回程度にします。家族のために唐揚げを作っても、ちょっと味見をするだけで我慢します。

 でも、去年、おととしは主婦の役が多かったので、生活感を出すために節制しないでいたんですよ。リバウンドもしちゃうから、体にはよくないんですよね。

 恋愛のために、ものすごく自分を磨き上げている役とかだったらいいんですけどね(笑)」

 年齢を重ねるごとに、艶っぽさを増していく篠原さんだが、自らが定義する“いい女”像は、ちょっと意外なもの。

「なんとなく思うんだけど、男っぽさというか、男の人の心も持っている女性が素敵な気がするんです。男性のような感覚や感性を持ち合わせていると、その人の中の女性らしさが引き立つのかな。

 この世界で活躍している女性も仕事の仕方とかサバサバしていて、すごく男っぽい人が多くて。私も憧れるんですよ」

 そんな見方ができるのも、長く女優として表現することを追求してきた結果の洞察力からなのかもしれない。これからの30年には、どのようなヴィジョンを描いているのだろう。

「今と変わらず、好きなことを続けて、自分が楽しく生きていくことで、周りにいる人にも楽しくなってほしい。

 それは見返りが欲しいっていうことではなくて、みんなで一緒に充実した時間を過ごすことが一番だと思うからなんです。

 まだまだ葛藤もあると思うけど、それによって人間力がつけられるだろうから、いろんな経験を積んでいきたいですね」

2020.01.23(木)
Edit=Miwako Yuzawa
Text=Junko Wada
Photographs=Yuichi Akagi(Eight Peace)
Styling=Masami Tanaka
Hair&make-up=Tamae Okano(STORM)

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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