●ある程度の体格、胸板を作っておきたい

――ドラマ「モンテ・クリスト伯」以来の共演となる同僚役の岸井ゆきのさんや、上司役のおぎやはぎの小木博明さんらとのお芝居はいかがでしたか?

 岸井さんは「モンテ・クリスト伯」とは、まったく違う関係性の役柄だったからか、英組という現場の雰囲気の違いからか、たくさんお話をしました。小木さんはものスゴく熱量のある方で、とにかくパワフル。独特な演じ方をされる方で、僕とは脳の違う部分を使っていらっしゃるような気もしました。ただ、ホント勘弁してほしかったです(笑)。

――“勘弁してほしい”とは、どういったことでしょうか?

 僕が演じたドイが笑えないキャラだと知っているのに、小木さんだけでなく、みなさんアドリブをどんどん出されるんです。しかも、本番中に! だから、これまでいろんな現場で、先輩後輩問わず、翻弄されてきた僕ですが、こんなに笑ってしまった現場は初めてでした。かなりおなじみとなった僕が演じる脱力系男子のキャラですが、演じていて、とにかく楽しかったです。

――最後に、これまでの2年間を振り返って。そして、これからの2年間の展望を教えてください。

 自分で言うのも何ですが、この2年間、精神年齢はさておき、ずいぶん大人になったと思います。いろんなものを吸収するペースも速くなったし、まだまだ吸収していきたい気持ちも強くなりました。

 僕としては理想の40歳像がハッキリしているので、そこに少しでも早く近づきたい。これからの2年間に関しては、計算しながら、激しい感情のお芝居ができるようになりたいです。あと、しっかり筋トレしたいと思います。25歳ぐらいまでには、ある程度の体格、胸板を作っておきたいと思っていたので。そのためには、ゲームをする時間を控えて、ジムに通うしかないですね(笑)。

高杉真宙
(たかすぎ・まひろ)

1996年7月4日生まれ。福岡県出身。事務所にスカウトされ、2009年に俳優デビューし、映画・ドラマ・舞台・CMなどで活躍。『ぼんとリンちゃん』では「ヨコハマ映画祭」最優秀新人賞、『逆光の頃』では「第9回TAMA映画賞」最優秀新進男優賞、『散歩する侵略者』では第72回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞。また、主演作『笑顔の向こうに』(18年)は、第16回モナコ国際映画祭でエンジェルピースアワード(最優秀作品賞)を受賞。現在、ドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(フジテレビ系)が放送中のほか、『糸』(4月24日公開)も控える。

『前田建設ファンタジー営業部』

03年、前田建設の広報グループリーダーは、「アニメ「マジンガーZ」の格納庫を今の技術と材料で建設したら?」を検証するWEB連載を提案。広報グループの社員・ドイ(高杉真宙)はプロジェクトに携わるうち、架空のものに対して真剣に向き合う社内外の技術者たちの姿を目の当たりにし、本気で取り組むようになっていく。
1月31日(金)より公開
https://maeda-f-movie.com/
(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2020.02.07(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子