5つのダイニングを回って
お酒とおつまみを楽しむ

 食の充実度も目を見張ります。

 朝食はビュッフェとオーダーの混合スタイル。ビュッフェはシリアルだけで17種、ホームメイドのジャムや切りたての生ハム、そしてユニークなのが、「活力」や「ストレス除去」など目的別のアーユルヴェーダ・ドリンク。

 フルーツを切り分けるスタンドや、サラダを作ってくれるスタンドも立ちます。そして朝からシャンパンも。

 滞在初日または2日目に体験したいのが、「ギリ・テイスティング・ジャーニー」。18時~19時の1時間限定で、リゾート内の5カ所のダイニングを回り、お酒とおつまみを楽しめます。和食レストランでは日本酒+サーモン・タルタル、自家製アイスクリームスタンドではスイートワイン+ソルベなど、ダイニングの位置と特徴をつまみ食いしながらチェック。

 また、ハリー・シェフによるビーガンメニューの料理デモンストレーションは驚きの連続。自由な発想から生まれたオリジナルのメニューは、大根をホタテに見立てたり、アーモンド粉で焼かずにケーキを作ったり。見た目も美しく、野菜のみとは思えないほどのボリューム感です。

 ギリ・ランカンフシの“サスティナビリティ”の一環として、海中の環境保護にも積極的です。海洋生物学者が常駐する「ギリ・ヴェシ―マリン・バイオロジー・シャック」は、サンゴの植林やウミガメの餌となる海藻の保護、マンタのリサーチなどを実施。

 2016年3~4月にモルディブでは水温が急上昇し、わずか1カ月でサンゴの60~90%が白化してしまったそう。

 サンゴの植樹では水深5~7メートルの浅瀬にロープを張ってサンゴを植え、ある程度まで育てた後に岩場に移植するスタイル。186本のロープに15種のサンゴがすくすくと育っています。

 サンゴは魚たちが暮らす住処であると同時に、二酸化炭素を酸素に変える光合成をおこなう藻の住処でもあり、海中に隠れながらも、地球には欠かせない存在。スノーケリングで元気に育つ姿を観察し、子供から大人まで、海に興味をいだくきっかけになることでしょう。

ギリ・ランカンフシ

●アクセス ベラナ国際空港からスピードボートで約20分
https://gili-lankanfushi.com/ja/
日本での問い合わせ先 サンヨーインターナショナル 03-3461-8585

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2019.12.28(土)
文・撮影=古関千恵子