古今の日本的造形美を
美術館で堪能

『大浮世絵展
─歌麿、写楽、北斎、広重、国芳
夢の競演─』

喜多川歌麿 「当時三美人」江戸時代/寛政5年(1793年)頃、大判錦絵 ギメ東洋美術館蔵。Photo Ⓒ RMN-Grand Palais (MNAAG, Paris)/Harry Bréjat/distributed by AMF 展示期間:2019年12月17日(火)~2020年1月19日(日)(東京会場)
喜多川歌麿 「当時三美人」江戸時代/寛政5年(1793年)頃、大判錦絵 ギメ東洋美術館蔵。Photo Ⓒ RMN-Grand Palais (MNAAG, Paris)/Harry Bréjat/distributed by AMF 展示期間:2019年12月17日(火)~2020年1月19日(日)(東京会場)

 日本の風土と文化が磨き上げてきた造形感覚とは、これほどまでに鋭く独特で、洗練されたものだったのか。

 東京都江戸東京博物館での『大浮世絵展』を観れば、誰しも改めてそう痛感するはず。

 喜多川歌麿の美人画、東洲斎写楽の役者絵、葛飾北斎と歌川広重の風景画、歌川国芳の武者絵の名品が並ぶ同展は、日本が誇る独自の芸術表現たる浮世絵の「いいところ取り」。

 モチーフの選択や画面構成の妙をたっぷり味わいたい。

『大浮世絵展
─歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演─』

会場 東京都江戸東京博物館(東京都・墨田区)
会期 2019年11月19日(火)~2020年1月19日(日)
※会期中展示替えあり
料金 一般 1,400円(税込)ほか
電話番号 03-3626-9974
https://dai-ukiyoe.jp/

『山沢栄子 私の現代』

〈What I Am Doing No.9〉1980(プリント1986)年 銀色素漂白方式印画 大阪中之島美術館蔵。
〈What I Am Doing No.9〉1980(プリント1986)年 銀色素漂白方式印画 大阪中之島美術館蔵。

 浮世絵師たちが示す鋭い造形感覚は、現代にも受け継がれていることをはっきり感じさせるのが、今年、生誕120年を迎える山沢栄子の写真作品。

 東京都写真美術館での『山沢栄子 私の現代』は、米国で美術を学んだのちに帰国し、日本の女性写真家の草分けとして活動した山沢の軌跡をたどる。

 写真による抽象表現までを手がけた高次元のセンスに酔いたい。

『山沢栄子 私の現代』

会場 東京都写真美術館(東京都・目黒区)
会期 2019年11月12日(火)~2020年1月26日(日)
料金 一般 700円(税込)ほか
電話番号 03-3280-0099
http://topmuseum.jp/​

山内宏泰(やまうち ひろやす)

ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「文学ワイン会 本の音夜話」などの催しも主宰。近刊に『写真を読む夜』(誠文堂新光社)、電子書籍『写すひと』(コルク)。
https://twitter.com/reading_photo/

Column

山内宏泰のこの1枚に会いたい!

美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。

 

2019.11.27(水)
文=山内宏泰

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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