オーガニック製品が
街に並ぶのはなぜ?

 エンシニータスではヘルシーフードのカフェやオーガニックコットンを使ったクロージングを扱うショップをよく見かけます。

 サーフィンは自然を相手にするスポーツだから、サーファーはえてしてナチュラル志向。

 だからエンシニータスもサーフタウン特有の傾向があるのかな、と思っていたのですが、どうやら、それだけが理由ではないようです。

 エンシニータスは、アメリカにヨガを伝えたとされるインドのヨガ僧パラマハンサ・ヨガナンダのゆかりの地。

 サーフポイントのスワミス近くの丘の上には、彼が拠点とした、海を見渡す「セルフ・リアリゼーション・フェローシップ(SRF)」のリトリートや瞑想を行うガーデンがあります。

 エンシニータスはヨガの聖地でもあるのです。

 ビーチにおいても、海と向き合って瞑想をしている人を見かけます。ちょうどサンセットの頃で、波音に包まれていると、不思議と穏やかな気持ちに……。

 ここの空気には、なにか特別なものが含まれているのかもしれません。

 と、その時、この街生まれの時計ブランド「NIXON」のフラッグシップストアの閉店時間が迫っていることを思い出しました。

 サーファーやスケーターに人気のブランドで、ここのストアでは文字盤やベルトなどを好みでオーダーメイドできる「カスタムバー」があるのです。

 さっきまでのサンセットに心洗われる気分は飛び去り、慌ててストアへと駆け出す自分。

 物欲にはまだまだ勝てそうにありません。

エンシニータス

●アクセス サンディエゴ国際空港から車で約40分
●おすすめステイ先
サーフハウス・ブティックホテル
https://surfhouseadventures.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2019.11.02(土)
文・撮影=古関千恵子