上質で繊細な、ほわほわフィッシュ

 すごいなぁと思ったのが、フィッシュアンドチップスが1種類じゃない。サイズもあるけれど、白身魚の種類で選べる。しかも、北海道産のタラ! など、「フィッシュ」を厳選しているのだ。葉山のお魚というわけにはいかないけれど、海のそばで食べるフィッシュアンドチップスだからこそおいしいお魚を使いたいという心意気がうれしいではないか!

 せっかくなのでお魚2種類のフィッシュアンドチップスを注文してみる。さらに、米好きとしてはポキ丼も。お酒飲みの人からしたら、ビールを飲まないとかありえないんだろうなぁ! 飲めないものはしょうがないけど、美味しいんだろうなぁ!

さっくりと優しく揚げられたフィッシュアンドチップスは白く儚げ。どっちのフィッシュアンドチップスかはもはや不明。ごめんなさい

 フィッシュアンドチップスってシンプルなんですよね。白身魚に衣をつけて揚げたものとフライドポテトだけだもの。しかし、だからこそ、2種類の白身魚の違いがよくわかって面白い。レギュラーのほうはややさっぱりしたお魚で、もうひとつのスペシャルなほうはややこってり。脂がのった白身で、甘みも強い。脂が違うからやわらかさ、口溶けも違う。衣はさっくりとして、しっかりとコシもあり、きれいな油で揚げているのがよくわかる。楽しい~。

 もちろん、チップス=フライドポテトにも満足! 太すぎず細すぎず、多すぎず少なすぎず、主役とはいえ奥ゆかしく上質。フライドポテトが手抜きだったり、少ないと景気の悪い気持ちになるけれど、こちらはお魚とのバランスばっちりです。

 もうひとつ大事なのがタルタル。マヨネーズが苦手なのでタルタルへのハードルは高いのだが、自家製だというこちらのタルタルは、まず酸味が少なくきめが細やかで、優しい~かんじ。これだけでもちびちびやりたくなるものだった。

 フィッシュアンドチップスはテイクアウトもできる。秋の海に持って行ってピクニック、なんてことも気軽にできちゃう。素敵だわ! でも、海を愛する人達が集まるキラキラ空間に気圧され、素敵な店主夫婦に「◯◯さんと△△さんと✕✕さんの紹介で…」とも言い出せずに、ごちそうさまして帰ってきたヘタレな私でした。

ザ ガゼボ
住所 神奈川県三浦郡葉山町堀内387
電話番号 046-874-9663

Column

北條芽以のLOVEレストラン

美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!

2012.11.05(月)