生半可な気持ちで
役者になりたいとは言えなかった
――過去のインタビューで「覚悟できるまでに18年かかった」と言われたように、18歳のときに、役者の道を目指すことを決意されます。そこに至るまでの葛藤については?
将来の夢を聞かれるのが苦痛だったのは、周りの人たちが「この子はきっと役者をやるだろう」と思っていることを、なんとなく感じていたからだと思うんです。だから、そこに反抗していた部分もありますし、どこかで逃げていた気もします。いろんな現場を見ていたからこそ、生半可な気持ちで「親と同じ職業である、役者になりたい」とは言えなかったんです。本当に、自分が決意したときじゃないと。それで、やっと覚悟できたのが、18歳のときだったということです。
――ちなみに、映画は幼い頃から観ていたのでしょうか?
本格的に観るようになったのは、役者を目指すようになってからですが、自分から積極的ではないにしろ、小さい頃から常に映画に触れている環境だったと思います。そんななか、中学生のときに観た『カッコーの巣の上で』や『ディア・ハンター』は衝撃的でした。そういった作品や、撮影現場の仕組みみたいなものを知っていることで、どこかで同級生とは違った映画の見方をしていることも自覚していたと思います。
2019.02.22(金)
文=くれい響
写真=榎本麻美
ヘア&メイク=升水彩香
スタイリスト=越中春貴(Rim)