英雄を輩出した村は
今も90年前と変わらない
![洗濯物を干すお母さん。カラフルな普段着はまるで衣装のように華やかで、それが村の風景によく映える。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/9/-/img_5997dd96964cdedd7f7815916e681bb2255478.jpg)
村には、ビルなんてひとつもない。ひたすら牧草地が広がり、そこで馬や羊がのんびりと草をはんでいる。マンデラが通った学校や、魚釣りに夢中になった川、駆け巡った緑の丘……。村が大々的に発展していなかったおかげで、私たちはマンデラがのびのびと過ごした幼少時代を想像しながら、歩くことができた。
右:コサ族の家庭料理を堪能。
ランチは、マンデラの親戚が営むB&Bでいただくことに。スモーキーピンクの壁に三角屋根のカラフルな建物のなかに入ると、テントのように天井が高くて気持ちがいい。
都会のレストランのような洗練されたものではないけれど、チキンにポークにラム、野菜の煮込み、ジンジャージュースなど、温かな家庭料理はとてもおいしかった。
![風光明媚な地であるイーストロンドン。次回はもっとゆっくり滞在してみたい!](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/0/-/img_205aff7096a8fd152357ab1f2c9df30a444066.jpg)
ひとしきりクヌ村散策を楽しんだ後は、ふたたび4時間かけてイーストロンドンへ。
東海岸にあるこの街は、ヨハネスブルグのような大都会の緊張感もなく、ケープタウンほどの洗練されたリゾート感もなく、ほんわかとした雰囲気。南アフリカというとサファリのイメージが強いかもしれないが、こんな海辺の街もある。
![クラシカルな街並みに馴染む、イーストロンドン市庁舎。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/d/-/img_fd03a855887d9986f4360b76ceb0a06a273065.jpg)
イーストロンドンを一言でいえば、ヨーロッパ風の建物とビーチリゾートがほどよく調和する都市。ビーチに面したホテルの部屋から眺めた、灯台が立つ岬と水平線も忘れられない。
マンデラの足跡をたどる過程で偶然訪れた地方の街は、またいつか訪れたいなと思える素敵な場所だった。
![ホテルの部屋から眺めた朝日。治安がよく、朝日を浴びながらジョギングをしている人たちもたくさんいた。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/b/-/img_2b02f8ed66dad01fa3b540d7c780376f237090.jpg)
2018.10.30(火)
文・撮影=芹澤和美