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 古くからの温泉街のあちらこちらに国際色豊かな新しい施設が次々と登場し、ユニークなカルチャーミックスを生み出している野沢温泉村。中でも注目を集めているクラフトジンのディスティラリー、「野沢温泉蒸留所」の魅力とは?


古い工場を改築したスタイリッシュな蒸留施設

 野沢温泉村で飲食店などを経営するインターナショナルなチームが、地元のおいしい湧き水でクラフトジンやウイスキーを造り、村の魅力を発信したいと設立した「野沢温泉蒸留所」。古い缶詰工場を改築し、クラフトバーやギフトショップなどを兼ね備え、見学ツアーも楽しめるスタイリッシュな蒸留施設に生まれ変わらせた。

 野沢温泉村の素材を組み合わせて生まれる定番のクラフトジンは、爽やかな味わいが特徴のシグネチャードライジン「NOZAWA GIN」や、地元産の赤紫蘇の優しい甘みが広がる色鮮やかな「SHISO GIN」など4種類。いずれも国際的な酒類品評会で高い評価を受けており、個性あふれる香りと味わいを飲み比べてみるのも楽しいだろう。

 また、2023年の冬から限定発売を開始したのが、日本三大火祭りのひとつである野沢温泉村の「道祖神祭り」をイメージした「DOSO GIN」だ。道祖神祭りは山から切り出したブナの大木で巨大な社殿を作り、激しい火の攻防の末にその社殿が燃え上がるという壮大な火祭り。野沢温泉蒸留所では毎年「DOSO GIN」を販売していく予定で、2024年発売のものからは社殿に使用されたブナの木の端材の使用も予定しているという。

2024.04.07(日)
文=張替裕子(Giraffe)
写真=榎本麻美
取材協力=長野県観光機構

CREA 2024年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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行かなくちゃ、台湾

CREA 2024年春号

行かなくちゃ、台湾

定価980円

名物をしみじみ味わって、のんびりと街歩きしたい台湾は、少し見ぬ間に懐かしさはそのままに、ヘルシーに進化していました。次の旅は台北から足を延ばして、嘉義、台中、大渓など地方へも。行かなくちゃ!台湾へ。