固有の文化と風土を持つ沖縄。ゆったりと時間が流れるこの地に惹かれ、二度、三度と繰り返し訪れる人も多いだろう。
そんな沖縄を愛する人に提案したいのが〝エシカル(倫理的)“をキーワードとした旅だ。
ただモノを消費するだけでなく、楽しみながら、旅の過程そのものが自然環境保護や伝統の継承、産業の発展につながり、「沖縄らしさ」を守り、育むことにつながる。100年先も今と変わらぬ美しい沖縄を。人と社会と自然にやさしい「エシカルトラベルオキナワ」を体験した。
アメリカ統治の面影を感じる、港川外人住宅街
最初に訪ねたのは、那覇市の隣り、浦添市の港川外人住宅街。アメリカ統治時代の1960年代に米軍関係者のために建てられた60平米ほどのコンクリート造の平屋住宅が50棟ほど立ち並び、パステル調の色違いの建物が独特の景観を作っている。インフルエンサーのSNSで紹介されたこの景観に惹かれて台湾や香港からの旅行者も多く訪れるという。個々の建物はイノベーションされ、今はカフェやショップに姿を変えている。
その一つ、「SHIMA DENIM WORKS」は沖縄県産のさとうきびの搾りかす「バガス」をアップサイクルし、ジーンズやかりゆしウェアなどの衣料品に生まれ変わらせ販売している。
店長の大本夕貴さんが、その仕組みを語る。
「県内の製糖工場でさとうきびを搾ったあとに残るバガスは、工場のボイラーの燃料としてほとんどが使われますが、それでも残った数%は有効活用法が見出されていない未利用資源です。そのバガスを引き取って、粉砕したものをマニラ麻と混ぜて和紙糸にし、綿と織り合わせてジーンズなどの生地にしています。バガスの和紙糸の特徴は、綿の約半分の重さと軽く、吸水性や速乾性に優れていて、消臭効果や抗菌作用を持つ、人にやさしい素材です」
地元出身のバンドHYのナチュラルブランドHeartYのタオルやコースター、俳優の松山ケンイチさんが立ち上げた、サステナブルなライフスタイルブランドmomijiのキャップなども。松山さんは沖縄のさとうきび畑や製糖工場も視察し、取り組みに共感してくれたという。他にも地元のオリオンビールとコラボしたスニーカーなど、エコを意識させられる前に、デザイン性の高さが目を惹く商品が多くて楽しい。
「オリオンビールさんとは、ビールの原材料のモルトのカスから紙を作ることも始めていて、ノートなど紙製品の企画を進めています。基本的に木、枝、葉など繊維系のものであれば、バガスと同じ工程でアップサイクルはできるんです。沖縄県内だけでなく、日本各地で発生している残渣のアップサイクルも進めており、この活動を通して地域を創生するというビジョンを持っています」(大本さん)
SHIMA DENIM WORKS
所在:沖縄県浦添市港川2-14-7 36号
営業日:月曜日定休(臨時定休あり)
営業時間:12:00~18:00
https://www.instagram.com/shima_denim_works/?hl=ja
