背中を押してくれた
船橋市の人々の想い

――古本を通じて出会う女性役の池脇千鶴さん。そして、彼女の余命わずかな恋人役の安藤政信さんといったベテラン陣との共演はいかがでしたか?

 映画の観客として、ずっと観てきた大好きなお二人でしたので、緊張していたというか、とても怖かったんです。でも、初めてお会いしたときに、感覚的に一瞬で好きになることができたんです。その感情を自分の中で、ずっと持てたことで、安心して芝居に取り組むことができました。

――船橋市での印象的な撮影エピソードがあれば教えてください。

 船橋の方には美味しいケータリングを作っていただいたり、エキストラとして多くの方に参加していただいたりして、とても有難かったです。夜中の撮影にも関わらず、駅構内のシーンにも参加していただきましたし。それだけ、船橋の方々がこの映画の完成を楽しみにしてくださっていることがスゴく伝わってきて、僕も頑張らなきゃいけないという気持ちになりました。明海として、背中を押してもらいました。

――死生観に関しても、しっかり描かれている本作ですが、金井さん自身はどこに注目してほしいですか?

 僕自身、過去に恋人を亡くした立花という役と真摯に向き合えましたが、自分の芝居というより、とにかく多くの人に、この作品を観ていただいて感じてほしいです。死生観に関しても、観た人それぞれ違うと思いますし。

2018.09.07(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘