役作りで学んだ駅職員の仕事
――その後、金井さんにとって、転機となった作品や出来事を教えてください。
東京に出てきて、俳優養成所に入り、2年間、そこに通いました。そのときの舞台公演で、死刑囚の役を演じたんです。生と死を扱ったテーマだったので、そのときはとてもヘビーでしたし、芝居の在り方や自分がどう芝居と向かい合ったらいいか? ということを、とても考えさせられました。
――今回、主演に大抜擢された『きらきら眼鏡』、金井さんはもともと、犬童一利監督のワークショップに通われていたんですよね?
養成所を卒業してからはフリーでやっていたんですが、犬童監督にはワークショップで出会いました。そのときに連絡先を交換し、交流させてもらっていたんです。今回、こういうかたちで主演に選んでもらって、怖さもありましたけれど、素直に嬉しかったです。
――金井さんが演じられた明海は、駅職員という設定だけに、役作りはどのようにされたのでしょうか?
スタッフさんに繋いでいただいて、実際にロケをした北習志野駅に勤務されている職員さんの仕事を数日見せていただきました。単純に道を尋ねられることもありますし、ホームに倒れている方を介抱したり。駅の中での仕事だけではなく、なんでもこなせないといけないことを知りました。
2018.09.07(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘