「都会」「瞬間」「旋風」を何と読む?

ランディ・ヴァンウォーマー『アメリカン・モーニング』(1979年)

都会(まち)に流れる音楽……だからこそ自然(ナチュラル)なものが……
青い心の旅人、アメリカン・モーニングに街で出逢うとき……

 ランディ・ヴァンウォーマーは、1979年に本作から"Just When I Needed You Most"のヒットを飛ばした米国のシンガーソングライター。

 彼の穏やかで優しい音楽の質感を伝える帯のキャッチコピーには、「都会」に「まち」と読ませるルビが振ってあり、さりげなく洒脱な雰囲気が醸し出されている。

 当時の帯には他にも「瞬間」で「とき」、「旋風」で「かぜ」、「女」で「ひと」などのルビが振ってあるものがよく見られ、2音節で読ませるのがオシャレのセオリーだったのかもしれない、と感じる。

 「本気」と書いて「マジ」と読む例外を除いて、の話だが……。

 ちなみに、アルバムの原題『Warmer』も、シングル曲"Just When I Needed You Most"も、どちらも邦題は「アメリカン・モーニング」。どこかやっつけ仕事のように思えてしまうが、そんなものはまだまだ序の口だ。

2018.03.22(木)
文=福田直木(ブルー・ペパーズ)
撮影=平松市聖