スペシャリテのあん肝握りは絶品!

(6) サワラのタタキ

 燻製させた鹿児島醤油と小豆島の薄口を合わせ、太白胡麻を少し加えた、甘いタレがかけてある。甘さと燻製が合う。タレの濃度がよく、さわらによく絡んで味わいを持ち上げる。

 フレデリック・コサールの「Chassorney du Sud」は、醤油の甘みと相性がいい。

 新潟の「村祐」は次の握りに合わせて。

(7) 穴子白煮握り

 塩とカボスで。ムースのように溶けていく穴子である。

(8) 山口産あん肝握り

 店のスペシャリテの一つ、山口産あん肝握り。適度な鉄分と脂があって心を溶かす。脂が邪魔しないエレガントさがある。一つ一つ包丁でつぶすことによってこの優美さが出るのだという。

(9) 白身だけで作った卵焼き

 オーブンで蒸して茹でて焼く。きめ細かくふんわりと消えて夢見心地にさせてくれる、卵焼きである。

(10) ノドグロお椀

 新ごぼう、サヤインゲン、春大根、ワラビ。次第に脂が溶けて、汁が上手くなっていく過程に酔う。

(11) コハダ握り

(12) イワシ握り

 脂が乗っているがいやらしくない、見事なイワシに惚れる。ここで登場するのは、純米吟醸「而今」。

2018.03.01(木)
文・撮影=マッキー牧元