ふんわりスパイシーで
香り豊かなカレーパン
まずは、カレーパンをご紹介しましょう。
ラグビーボール型の「カレーパン」と、丸い「キーマカレー」。2つは見た目も異なります。
「フィリングのカレーは、どちらも我が家のレシピ。子供がカレーを大好きで、何種類ものカレーが定番なんです」と大谷さん。
「カレーパン」は、豚肉、タマネギ、ニンジンを使用。スパイシーですが、子供でも食べられる優しい味。後口にほんのりスパイスが香ります。
「キーマカレー」は、鶏ひき肉、ヒヨコ豆、タマネギを使っていて、まろやかで食べやすい。噛むうちに、ふわっと広がるスパイスの芳香がいい感じ。
どちらもサクッとした歯触りで、生地の噛み応えもあり、辛すぎないカレーパンらしい味わいです。
「パンはすべてお店で手作り。北海道産小麦100%で、無添加。自然の小麦の味を噛みしめてください」。もちろん、パン粉も、自家製のパンを使っています。香ばしさと風味が違う。ランチで出しているのも、この2種類のカレー。カレーパンもランチのカレーも、すでにそれぞれのファンがいるそう。
他のパンと、パンを使ったカフェのメニューもご紹介しましょう。
「こだわりのイギリスパン」は、こんがり焼き色が美しい山食。生のままだとふんわり、もっちりで、トーストすると表面はカリッ、中はサックリ。特に上部の山の部分はカリカリの軽やかな食感。歯切れが良くて、口溶け抜群。噛んでいるうちに口の中ですうっと消えます。
「このイギリスパンを、サンドイッチ、トースト、フレンチトーストなどにアレンジして出しています」と大谷さん。
「サンドイッチ」は、生のままのタイプもトーストしたものも、どちらもおいしく、同じパンなのに食感が異なり、とてもおもしろい。
「ミックス」は、パンを耳付きのまま、2センチに分厚くスライス。マヨネーズで和えたゆで卵、ハム、トマト、タマネギ、レタスをサンドした、オーソドックスなタイプです。分厚いパンはふんわりした食感で具とのボリュームも程よく、どこか懐かしい、お母さんが作る味。マスタードでちょっぴり大人味になっています。
同じサンドイッチでも、パンをトーストすると、全く味わいが変わります。トーストサンドも、耳を切り落とさず、一緒に香ばしさを堪能します。カリッとして堅すぎず、食べやすい。
大谷さんは、イートインはもちろん、テイクアウトのサンドイッチも、注文があってからパンをスライス。ひとつひとつ、ていねいに作っています。
「フレンチトースト」をカフェでオーダーすると、熱々のフライパンで出されます。3センチ強の厚さにスライスし、牛乳、卵、砂糖を混ぜた液に1時間以上浸したパンを準備しておいて、フライパンでゆっくり焼き上げたもの。焼きたて、熱々にアイスクリームがトッピングされて、リッチなデザートのよう。「これも我が家の定番なんです」と大谷さんはにっこり。
生地に薄力粉を少し入れた「ドーナツ」、北海道産小豆100%のあんこを包んだ「あんドーナツ」もあります。どちらも、ふんわり優しいけれど、しっかりしたパン生地。食べ応えがあります。
他にも、ランチ用にライ麦パンやバタークッペも焼いているのだそう。
「気まぐれで色々なパンを焼きます」と大谷さんはにっこり。さらに、北海道産小麦粉100%、よつ葉バター100%のスコーンを焼いたり、イギリスパンを使ったラスクを作ったり、季節の果物でジャムを煮たりも。
店主が自ら焼き上げたパンをおいしく調理して出す、素敵なカフェ。おやつタイムにパンメニューをほおばると、おなかだけでなく心も豊かになります。
「natural bread KAEDE CAFE」
所在地 大阪府東大阪市高井田本通1-1-4
電話番号 06-6789-6010
http://kaede15april.wixsite.com/naturalbread
https://www.facebook.com/kaedepan1994/
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2018.01.30(火)
文・撮影=そおだよおこ