ガラス張りの間口の広いお店に入ると、和菓子がずらりと並んでいます。定番の饅頭や羊羹はもちろん、季節の生菓子も。昔ながらの和菓子屋さんと思ったら、右手のケースには、様々なフルーツ大福だけでなく、カラフルなマカロンやカヌレ。今風のものや洋菓子も見つかります。

一見、普通の和菓子屋さんですが……。
見た目にもカラフルな大福が!

 「五條堂」は、1975年から続く和菓子屋。最寄り駅はJR片町線の鴻池新田駅、住道駅。駅から車で約5分の所にあります。創業者である柴田敏信さんは大阪・宗右衛門町の「福寿堂秀信」で修業。店名は、出身地の奈良の五條にちなんだのだそう。

店内には、伝統的なものと新感覚のものの両方の和菓子が並びます。
大福を作る柴田彩さん。

 フルーツ大福やマカロン、カヌレを作っているのは、柴田さんの娘、1980年生まれの彩さん。短大を卒業後、アパレルの会社で働きましたが、「和菓子作りをしたい」と家業を継ぐ決心をします。

 でも、父親は反対。菓子作りを教えてはもらえませんでした。彩さんはあきらめず、職人を訪ねたり様々な菓子の講習会に通ったりして技術を身につけながら、独学で創作を始めます。

「ロールケーキの作り方やチョコレート作りの講習会など、色々通いました。タルト、マカロン、クッキー、パウンドケーキなど、自分で納得のいくお菓子を1年に1個ずつ完成し、販売し始めたんです」

お父さんが作る生菓子。

 そんな中で、話題になったのが「フルーツ大福」。

「5年程前、福を呼ぶ大阪の名物にしようと、色々なお店でフルーツ大福が作られ始めました。私も、自分らしいものを工夫してお店に置きたくて」

 しかし、彩さんは、大福餅の作り方も、中の餡の包み方も知らなかったのです。父親とは違う自分のレシピで「フルーツのフレッシュ感があって、大福餅としてもおいしいものを」と試作を繰り返しました。

「大粒苺の大福」250円。

 最初にイチゴを作ってから、甘夏、ハッサク、シャインマスカット、パイナップル、フランボワーズ……。フルーツだけを味わうのとは違った、あんこと餅生地と一緒に食べる、独特のおいしさがあり、「色々作ってみたくなって」とにっこり。

 「大粒苺」は、イチゴのみずみずしさ、さわやかな酸味が白餡にマッチ。「フランボワーズ」は、優しい甘みの白餡とフランボワーズの酸味の組み合わせが絶妙。エレガントな風味の「シャインマスカット」。芳醇な味わいの「パイナップル」。どれもフルーツの持ち味を活かし、さわやかでジューシー。後口もすっきり。大阪産のミカンを使った「ぽん大福」もあります。

「フランボワーズの大福」195円。

2017.03.15(水)
文・撮影=そおだよおこ