森閑としたゲストスペースは
陽光がたっぷり射して居心地最高
パブリックスペースから通路を隔ててレジデンス棟へ。一転、植物園のような熱帯植物のジャングルに迎えられる。3階分の高さの吹き抜けを突き抜けるグリーンと真っ白な壁とガラス、それらをくっきりと縁取る黒のラインが、とってもクールだ。
この吹き抜けを囲むように客室が並ぶ。1階にはライブラリーやジム、オーナーが蒐集した1000点以上ものアンティーク美術品もディスプレーされ、さながら邸宅を訪れたようなこころ持ち。いや、プライベートギャラリー、小さな美術館に来た気分にすらなってくる。
いやいや、コレは、スゴイ……。
右:1階のライブラリーの奥はフィルムライブラリーで、スクリーンを備えた小部屋もある。
このアトリウム空間に配された客室、エントリークラスの「サイアムスイート」もまた、白と黒の空間。そこはかとなく上品に香るアールデコの雰囲気が、どこか郷愁を演出しているようで居心地がいい。
メイン棟とは別に建てられた個別のヴィラもまた、趣があって素敵。「プールヴィラ」はメゾネットタイプだが、吹き抜けを生かしたバスルームや、風が抜けるようにしつらえたリビングスペースが秀逸で、これまた居心地満点。さすがはビル・ベンスリーの設計だ。
2017.12.14(木)
文=大沢さつき