神々が見守る神秘の海
「青の洞窟」でカヤックも

美しい海や湖を、カヤックで堪能。

 この日の宿泊は、三方五湖のひとつ、水月湖の畔にある宿に決めた。「湖上館パムコ」は、部屋やダイニングから湖を一望できる、絶景の宿だ。

 「旅館でも、ホテルでも、ペンションでも、民宿でもないノーボーダーな宿」をコンセプトにしているここは、快適に泊まれる十分な施設を備えつつも、アットホームで温かな雰囲気がある。

名物の手作り地ビールと若狭の魚を使った料理が次々と登場する豪華なディナー。

 水月湖と星空を眺めながらいただいた夕食は、サバにブリ、朝獲れ野菜、若狭牛など、食べたかった地元食材のオンパレード! 品数が多くボリュームがあったにもかかわらず、きれいにたいらげてしまった。館内で作っているオリジナルの地ビールも味わえて、大満足。ちなみに、季節によってはカニやフグも登場するのだそう。

静かな環境でぐっすりと眠って目覚めると、窓の外には爽やかな朝の湖が。

 夕食の後の楽しみは、宿の名物、梅風呂だ。青梅の濃厚なエキスが浴槽に流れ込むユニークなお風呂でリラックス。若狭は上質な梅の産地として知られているけれど、こんな形で梅を楽しめるとは。湯上がりは、全身がポカポカと温かく、心地よい眠りにつくことができた。

透明度抜群の若狭湾や、自然に抱かれるような湖で楽しむカヤックは格別!

 「湖上館パムコ」のオーナーである田辺一彦さんは、「あそぼーや」という自然体験プログラムの主催者でもある。カヤックやバードウォッチング、ツーリングなど、アクティビティー目当てに、ここをめざす人も多い。

 私がチャレンジしたのは、常神半島でのカヤックツアー。常神半島は、半島の先端部に常神という集落があったり、沖に御神島(おんがみじま)という無人島が浮かんでいたりと、その地名も神々しい場所だ。

通称「青の洞窟」と呼ばれる絶景スポット。晴れていれば、こんな風景を見ることができる。

 田辺さんがぜひ見せたいと言ってくれたのが、常神港から1キロほど離れたところにある、通称「青の洞窟」。海面が青色に輝いて、それはそれは美しいのだそう。

 私もめざしたものの、カヤックを漕ぎ出して3分後に雲行きが怪しくなり雨が。「危険だから帰ってこーい!」という漁師さんのアドバイスで、中止となってしまった。「青の洞窟」は、気象条件によっては行けないこともある。それがなおのこと神秘的に感じられて、興味をそそるのだ。

湖上館パムコ
所在地 福井県三方上中郡若狭町海山64-9-1
電話番号 0770-47-1727
http://www.pamco-net.com/

2017.09.26(火)
文・撮影=芹澤和美