温泉保養地・伊東の
歴史を訪ねてぶらり散歩
日本初の西洋式帆船が建造された地にふさわしい、洒落た感じの「星野リゾート 界 アンジン」が“新”の顔なら、伊東大川沿いに歩いて8分ほどの場所にある、望楼が目立つ「東海館」は、“旧”の顔。古くから温泉保養地として愛されてきた伊東の歴史と文化を語る施設だ。
もともとは、1928年に同名の温泉旅館として創業されたという。当時の棟梁達が腕によりをかけて造った建物は昭和のレトロ感たっぷりだ。1997年に旅館としての経営に幕を下ろし、建物は伊東市へと寄贈された。現在は、伊東温泉観光・文化施設として使われている(入館料大人200円、小人100円)。
三浦按針に関する歴史を紹介する小部屋もある。河口近くの砂浜に掘った穴で船を造り、完成すると川の水を引き込んで船を進水させる方法を取ったという。この技術は、“砂ドック造船法”と呼ばれている。
大広間では、人形で当時の賑わいを再現しており、望楼には今も上ることができる。土・日・祝日のみ、レトロな大浴場・小浴場で日帰り入浴も可能(大人500円、小人300円)。
東海館
所在地 静岡県伊東市東松原町12-10
電話番号 0557-36-2004
http://www.itospa.com/feature/tokaikan/
2017.08.26(土)
文=小野アムスデン道子
撮影=平松市聖